ハケンの品格・第10話(最終話)
“奢れる正社員は久しからず。今や、ハケン無しに、会社は回らない。例えば、この大前春子。彼女の辞書に、「不可能」と「ヒューマンスキル」の文字は無い。煩わしい人間関係は一切排除し、3ヶ月の契約終了と共に、どこへともなく去る。だが、スーパー派遣大前春子が、何故「非・正社員」の道を選んだかは、定かでない。”。これは毎回冒頭で田口トモロヲさんによって語られるナレーションだけど、なかなか興味のあるメッセージですね。さて、今回最終話にて“定かでない”の理由が判明するのか? また、“3ヶ月の契約終了と共に去る”春子はどうなるのか? そして、このストーリーをどう締めくくるのか?
○ドラマ視聴率は本館サイトの該当コーナーから!
○日本テレビ系「ハケンの品格」
第10話(最終話)「契約終了!…スーパー派遣最後のスキル」
マーケティング課の企画「ハケン弁当」に渋々協力するうち、主任の里中(小泉孝太郎)や新米派遣社員・美雪(加藤あい)ら気のいい同僚たちに心を開き始めた感のある春子(篠原涼子)。契約延長は断固拒否するも、隣の部署の主任・東海林(大泉洋)からプロポーズされ心中は複雑に。さらに里中から「僕にはあなたが必要なんです」と告白され、春子は衝撃を受ける。そんな中、「ハケン弁当」の最終プレゼン日が到来する。
賢介は春子に「たった3ヶ月で何も分かり合えないまま別れるのは嫌だ」と言って契約更新を頼み込んだけど、彼女は初めてそこまで言ってくれた98社目となる職場の上司の彼に感謝しつつ、当初の予定通り3ヶ月で去ることを強調しました。それは、「ハケンで生きていくためのルール」らしく・・・。また翌日桐島(松方弘樹)には、「スキルがあまりにも高過ぎて社員との間に格差が生じる」、「社員が自分に頼り過ぎてますます使えなくなる」、「契約更新を拒む理由を問われること自体大きなお世話」といってやはり拒否。残りの期間を時給の分しっかり働き、そのまま去るようです。
奢れる正社員は久しからず。今や、ハケン無しに、会社は回らない。
例えば、この大前春子。彼女の辞書に、「不可能」と「契約更新」の文字は無い。
煩わしい人間関係は一切排除し、3ヶ月の契約終了と共に、どこへともなく去る。
だが、スーパー派遣大前春子が、3ヶ月で去る本当の理由は、他にあった。
「ハケン弁当」の発売日が4月上旬に決まったけど、その頃は春子や美雪が契約終了で去った後。春子は予定通り去る決意をしていて、美雪は賢介の働き掛けで契約更新が決まったけど、家庭の事情を言い訳にして辞退することを決意しました。一方、賢介はハケン弁当のコスト削減に悩んでいたけど、ある日消費者に米プラスティック製の弁当箱を買ってもらう方式を発案し、「米(マイ・MY)弁当箱」の企画が実現に至りました。ところで、東海林は会社を辞めず名古屋にある子会社の運輸の営業所に出向いていて、賢介たちにはメールで変わらず頑張っていることを伝えたけど、実はトラックの運転手たちと話が合わず耐え難い疎外感を味わっていました。そんな中、春子が去ることを知って契約更新を受け入れさせる作戦を賢介に伝えていて、ある日現在の辛い思いを書き付けたメールまで誤って送信。そこで慌ててマーケティング課に電話を掛けると春子が出て、美雪に代わるように伝えると春子が美雪の声真似で出て、その声を疑いつつも賢介に送ったメールを削除するよう伝えました。そして春子はそのメールをこっそりと読み、東海林がハケンの抱くような悩みを抱えていることを知った後でメールを削除しました。東海林と賢介はそんな春子についてもメールで会話をしていて、賢介は彼女が3ヶ月で辞める理由を「それ以上長くいると別れが辛くなるからではないか?」と伝え、東海林からの「正社員になれば良いのでは?」という回答に、今度は「彼女は会社を信じていないから」と伝えたのでした。
そして、あっという間に契約終了の日。春子は定時と同時にあっさりと会社を出て去り、美雪は感謝の言葉を皆に伝えた後で同じく会社を出て、外に出た後で堪えていた涙を流しました。そこに春子が現れ、「勇気を持って歩き出しなさい。働くことは生きることです」と励ますように言い聞かせて去ると、美雪は深々と礼をして「お疲れさまでした」と言いました。その様子を見ていた賢介は春子のいる店「カンタンテ」に出向き、東海林が好きなことを指摘してその思いを伝えるように説得したけど、彼女はそれをも拒んでまたどこかへ去ろうとしていました。その日はあのハケン弁当の発売日だったけど、新潟の大雪のせいで発注先から米弁当箱が届かず賢介たちは不安が募るばかり。ニュースを見て心配した美雪も駆け付けたけど、その緊急事態はもうどうにもならず絶体絶命。その時、空で小型の飛行機が旋回し始め、賢介たちが追い掛けるとその飛行機から飛び降りてスカイダイビングをする人物が。それは、何と春子! 彼女はその事態を知って急遽飛行機で米弁当箱を調達し、届けた後は「スカイダイビングは私の趣味ですが、それが何か? じゃ!」と言って去るだけでした。しかしそのおかげでハケン弁当は大成功を収め、やがてフランチャイズ化され全国で出店されるほどの大規模プロジェクトに。賢介はその企画開発者として名を残し、社長賞まで授賞。しかし表彰式典のスピーチでは、彼は春子や美雪たちハケンの力もあっての成功だと言い、「やっぱり、こんな賞を僕だけがもらうのはおかしいです」と言って賞状等を手放し、「ハケン弁当の本当の値打ちは、社員と派遣社員が一つになって、数々の困難を乗り越え力を合わせられたこと」と言って去ってしまいました。その力強く彼らしいスピーチに、桐島も「やれやれ」といった笑顔を浮かべるだけ。その後、賢介は会場の外で実はS&Fの会長だった老人(大滝秀治)に会い、彼からの「君はハケンをもっと導入すべきか?」という質問に、かつて春子から言われたことを交えて回答し納得させたのでした。
その後、美雪はアルバイトをしながら紹介予定派遣を目指し、何とS&Fの試験に合格していつかは正社員になることを決意。そして、そんな現状や賢介たちのその後も含めて、海外にいた春子のケータイに留守電を入れました。それを春子が後から聞き、東海林がまだ本社に戻っていないことを知ってか急遽帰国し、名古屋でいまだに耐え難い生活を送っていた東海林の前に現れました。二人はいつものように対立しながら会話をする中、春子は新たに取得したいくつもの資格証を突き出しながら面談を要求し、「契約は3ヶ月ということで」と言う言葉まで聞いた東海林は承諾。すると春子は、東海林に近寄ったかと思えばいきなり彼の眉毛を抜いて挑発し、彼は怒ってまたいつものように対立をし始めました。また、春子はいきなり福岡行きのトラックに乗り込んでエンジンを掛け、そのまま仕事をし始めました。たまたまそこへ訪れていた賢介も、東海林と共に叫びながらも笑っていたり。春子と東海林の二人は、今なお仲良く(?)やっているようで・・・。
いやいやいや~、最高のラスト! 終盤までは社員とハケンの合作である「ハケン弁当」の成功とそこに至るまでの様々な思いの変化が描かれ、最後の最後は“とっくり(春子)”と“くるくるパーマ(東海林)”の恒例のやりとりが行われました。特に二人のやりとりは、春子がいろんな資格証を出しては東海林がその一つ一つにツッコミを入れるという展開で、見ていて本当に笑えたし面白さとうれしさが凝縮されたひと時でした。二人はいつものように対立しながらも、名古屋という地でまたしばらくかつてのような毎日を過ごすことになったんですね。東海林への思いを否定していた春子だけど、あれだけ多くの資格証を用意して東海林を納得させたということは、何としてでも契約を承諾してもらおうと考えていたのかも? でもそれは、彼のそばにいたいために仕事を理由に近付いて居場所を確保しようと考えていたのかも? 相変わらず彼女らしい振舞いだけど、それが“スーパーハケン”のやり方なのかも? そしてあの“完全完結”とも言えないラストから察するに、続編の実現が大いに期待できるということじゃないですか! やったねっ!
コメディとシリアスのバランスが私的に良かったと思えたこのドラマ。当初から期待作に挙げていたけど、ストーリーの勢いや評価は初回話から最終話まで常に変わらず常に楽しめました。聞くところによると、最終話の視聴率が関東地区で26.0%だったって、マジですか! “完璧なスーパーハケン”の春子を見事に熱演した篠原涼子さんだけど、かなりの適任で彼女以外あり得ないくらいでした。また一つ代表作ができたことになりますね。“今や、篠原涼子無しに、ドラマ界は回らない”なんてね。とにかく、最初から最後まで本当に満足できたドラマでした。楽しかった~~~っ!
○関連記事「ハケンの品格・第1話」
○関連記事「ハケンの品格・第2話」
○関連記事「ハケンの品格・第3話」
○関連記事「ハケンの品格・第4話」
○関連記事「ハケンの品格・第5話」
○関連記事「ハケンの品格・第6話」
○関連記事「ハケンの品格・第7話」
○関連記事「ハケンの品格・第8話」
○関連記事「ハケンの品格・第9話」
| 固定リンク | コメント (7) | トラックバック (21)
最近のコメント