逃亡者・第11話(最終話)
真犯人がついに発覚! “お前たち”だったか!
○ドラマ視聴率は本館サイトの該当コーナーから!
○TBS系「逃亡者 RUNAWAY」
第11話(最終話)「真犯人は誰」
淳子(戸田菜穂)殺害の動機が、病院での臓器移植に関連していると知り、永井(江口洋介)は病院に潜入。淳子の部屋で永井の疑いは確信に変わる。だが、国枝(加藤浩次)は永井の無実を知る峰島(阿部寛)、尾崎(水野美紀)の身柄を拘束し、永井を急襲。狙撃班に追い詰められた永井は、ついに手錠をかけられてしまう。そこへ、峰島、尾崎と八木(近藤芳正)が現われる。
詳しい真相は、既に多くの方が書かれているレビューで確認していただくことにして、私はここでしか見られないような独自のレビューを書き残しておこうと思います。関連記事のあったblogには、トラックバックを送らせていただきました。もちろん送り返しもOKです。
とりあえず、永井の妻殺しに関わった人間は5人。来栖慶介院長、国枝真澄、郡司直巳、田所豊(死亡)、都留正(死亡)でした。事の発端は、警視総監の娘・藤堂ナツミの手術時の失敗から。
国枝が紹介した郡司はナツミの臓器を傷つけてしまったが、脳死状態のある少年が偶然適合する腎臓を持つことが判明し、来栖が移植手術を実施。それが娘の淳子(被害者)に気付かれてしまい、口封じのために娘の殺害を思案し、国枝や郡司に指示(これが一連の犯行の引き金)。殺害自体は田所に依頼し、淳子は死亡し息子の陸は重傷(事件発生)。都留は田所から囮(おとり)になることを依頼された。
来栖がそもそもの指示者、国枝が計画者、郡司が補佐、田所が実行犯、都留が囮とは言えども共犯者、という相関関係でした。それぞれが罪を犯しているけど、真犯人、いや黒幕とされるのは、来栖・国枝・郡司の3人。しかし犯行に及ぶ引き金を引いたという点で来栖が大黒幕だった、というのが結論です(間違いがあれば指摘してください)。
いや~、最終話の早い段階で、国枝と郡司が自供してしまってびっくり! 国枝も郡司も、問い詰めてみればまあしゃべるしゃべる。国枝に至っては、銃口を口に含んで自殺してしまうし。でもまだ放送が30分以上残っているけど・・・と思っていたら、永井と峰島と尾崎が各々引っかかっていた点から来栖の名が挙がって、問い詰めてみれば大黒幕だった、というひねりの無い結果でした。うさぎの着ぐるみを着た子供たちの人気者“ぴょん吉”さんだったというのが、一応のひねり?(笑)
ちなみに私の予想は、“伊川が黒幕”という線が濃厚でした。警察の人間であり、病院での不祥事の件で鋭く捜査をしていたことから、ナツミか脳死の少年の実の母と察知し、いずれにしても警察の立場を利用して病院への復讐をしていたと思っていました。永井を良く知り、警察と病院に関与し、「意外」という言葉に一番近い名前の「伊川」(笑)、これで間違い無いと・・・。ごめんなさい、疑ってしまってね。それから、意外性を追及するあまり、「実は死亡した淳子は生きているのではないか?」と最後まで疑っていました(苦笑)。一度淳子の死体を前に永井が泣き崩れるシーンがあったにもかかわらず、「いや、あれは息を止めて我慢していたに違いない」と密かに思っていたり。最後の最後に腕を組んで現れる淳子の姿を夢で見たか見なかったか、「全てあなたが悪いのよ!」という声を聴いたか聴かなかったか、とにかくその予想は大きく外れました。てへっ!
さて本題。元々このドラマは、デビッド・ジャンセン主演のアメリカオリジナル版の「逃亡者」やハリソン・フォード主演の映画版の「逃亡者」をモチーフにしていて、両方見たことがある私はどこか重ねて見ていました。あちらは「The Fugitive」、こちらは「RUNAWAY」。「義手の犯人」や「身近な人物が意外にもキーマン」という要素があっても、ストーリーは全く異なるものだと認識するようにして、“サングラス”を掛けたかのように過去作品のことを暗く遮断していたつもりでした。しかし実際には、片方にオリジナル版、もう片方に映画版というレンズを入れた“色眼鏡”を掛けて見ていたのかもしれません。だから「通例の予想に反して、ものすごく意外な人が真犯人に違いない」という心が拭えませんでしたね。それが無ければ、真犯人は一応意外な人物だったと言えるし、怪しい人物の5人もが犯行グループだったというのも意外と言えば意外。でもやっぱり、多くの人が一度は予想した結末だっただろうし、ちょっと物足りなかったかな?
数々の伏線も回収しきれていないのも確か。当初永井の手に渡った200万円の出所も不明のままだし、指紋の入れ替えが発覚したけど、永井の家に残る生活上の指紋(永井のものだがシステム上は田所のもの)を鑑識は見落としているし、捜査員は捜査しきれていないし、警察は何をしてたんだか。永井も永井で、最後は無罪放免だったけど、偽証罪や窃盗罪や住居不法侵入罪等、問われるべき罪はたくさん犯しているぞ? それから、「逃亡者」シリーズでこれほどまでに「追跡者」になったのも妙な点(笑)。オリジナル版や映画版の話になるけど、逃亡生活中にいろんな地で出会った人とのエピソードも面白さの一つなのに、このドラマで触れ合った人物は富ばあさん(菅井きん)くらいで、北海道という遠い地へも飛び立ったけど、あとは驚くほど近場での逃亡。これもちょっとね。つじつまが合わない点や解明されていない点を順に洗い出して解決させていく「逃亡者・特別編」を希望。司会は永井が扮する“新ぴょん吉”さんで・・・(笑)。
今度はドラマ&映画リンクの話。まず、伊與田Pが過去に手掛けた同局ドラマ「ブラックジャックによろしく」から、出演歴のある出久根こと加藤浩次さんと心臓外科医の北三郎先生こと原田芳雄さんが、悪の一員だったのが悲しい! そのドラマでは良い人だったのに。また、これは前回のレビューでも書いたけど、2004年冬に放送された同局ドラマ「砂の器」で、大量殺人の凶悪犯・本浦千代吉を演じたのが原田芳雄さん。「砂の器」も「逃亡者」も、同局同枠の「日曜劇場」の作品で、まさか今年だけで二度も悪役を演じるなんて思ってもみなかったけど、それが事実になってしまったのが悲しい! それから、今クールのドラマは、やけに同局ドラマ「木更津キャッツアイ」の要素とリンクする作品が多いなあと思って、リンク探しなんてやりながら見ていた私(ドラマ毎に必ずどこかで書いてます)。「逃亡者」も「木更津」という道案内の看板が出たことでリンクしていたけど、最終話の終盤で「裏の回(真相が明かされる回)」が発生して、グイングインと映像の巻き戻しがあったら面白かったのになあと思っていました(笑)。それが無かったことが悲しい!(これは単なる「願望」か) もう一つ、第4話のレビューで、そもそも「逃亡者」という作品と映画「ショーシャンクの空に」は似ていると書きました。それはその時に書いた通りだし、最終話で追い詰められた国枝が銃口を口に含んで自殺したシーンなんて、映画でショーシャンク刑務所の所長が行った行為と一緒だったなあなんて思いました。
ふう・・・これで書きたかった独自のことは全て書き尽くしたかな? まあ最終話まで予想以上に予想して、毎回ハラハラドキドキした点は良かったかな。前クールの日テレ系ドラマ「仔犬のワルツ」みたいな感じね。“ナガイ(長い)”レビューはここまでにしておきます。読んでくれてありがとう! ドラマの視聴は逃亡せず全て見られました。最後に、新米刑事・ads(あず)の“解決メモ”を残しておきます。
○解決メモ「登場人物の整理」・永井一家
永井徹生(江口洋介): 無実の罪が晴らされた後、犯した罪を償うべき主人公。
永井淳子(戸田菜穂): 正義を貫いたんですね。ご冥福をお祈りいたします。
永井陸(鈴木宗太郎): りっくん、強くなれ! パパのように!・警察チーム
峰島隆司(阿部寛): 今度は「アットホーム・ダッドSP」。ダディだ、ダディ(笑)。
尾崎カオル(水野美紀): あなたは絶対犯人じゃないって信じてたよ。
国枝真澄(加藤浩次): “極楽”ところか“とんぼ”に。意味わかんねえ~。
八木(近藤芳正): 確固たる証拠が出たから、最後峰島を信じたとみた。
伊川貴子(原田美枝子): イガイと伊川が黒幕じゃなかったです。
警視総監(未登場): 出てねぇじゃん!・病院チーム
郡司直巳(別所哲也): 手術の腕は財前の方が上手(「白い巨塔」ネタ)。
小野寺千秋(片平なぎさ): 口で手袋を引いたら義手だったとか(分かる人だけで)。
来栖慶介(原田芳雄): 本浦千代吉の名残り・ぴょん吉、永遠に・・・。・関連チーム
鬼塚咲(長澤まさみ): “たすけてください!”、無事助けられました、はい。
藤堂ナツミ(黒川智花): 次は「金八先生」に出るし、イメージ良く終わると思ってた。
峰島の妻(役者不明): 結局予想をかき回す存在だったようです。
永井の保護観察を受けた少年: 現在は更正して生きていることでしょう。
東弁護士(尾美としのり): 東じゃないもん、イボリーだもん! 生肉食いてえな。・真犯人ではないが、共犯者であることが確定した人物
田所豊(田中要次): 「人間の証明」でも悪い役を演じてたよね。
都留正(遠藤憲一): あなたも「ダッド」・・・違う、あれは宮迫さんか(笑)。・その他
松たか子(本人): 主題歌「時の舟」は良い感じでした。
「逃亡者」ノベライズ
(ネタバレ書くと・・・書けませんって)
「逃亡者 RUNAWAY」公式完全ガイドブック
(正直、要りますか?)
「逃亡者 1」(講談社コミックスデラックス)
(コミックで見る逃亡者)
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