東京タワー オカンとボクと、時々、オトン・第11話(最終話)
「東京タワーに見守られていた」と信じたいこのドラマも、いよいよ最終話へ。分かりきっていたラストへ向かうそのストーリーが、どんなに切なかったことか。でも、オカンもオトンも仲間たちも、そして主人公のマー君も、皆良い人たちで良かった・・・。
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○フジテレビ系「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」
第11話(最終話)「涙の最期」
抗がん剤治療をやめて2カ月が経過した。体調が少し回復した栄子(倍賞美津子)は、香苗(浅田美代子)の提案で外泊する。しかし、胃けいれんを起こし、再び病院へ。見舞いに駆け付けたまなみ(香椎由宇)らは、余命わずかな栄子を懸命に励ます。その日の深夜、雅也(速水もこみち)と兆治(泉谷しげる)が見守る中、栄子が息を引き取る。
オカンの栄子が余命数ヶ月と宣告されてから2ヶ月が経った頃、雅也の元に電話が入り彼女が外泊先のホテルで再び倒れたことを聞かされました。雅也が慌てて病院へ駆け付けると、栄子は既に個室へ移されていて、担当医は残り数日の命であることを宣告。仲間たちは代わる代わるお見舞いにやってきて栄子を励まし、皆が帰った後で雅也は彼女を東京タワーへ連れて行く約束やこれまでの想い出を振り返り、そのうちにオトンの兆治も駆け付けて彼女を心配していました。やがて雅也と兆治は、栄子を見守りながら就寝。雅也は「オカンの最後の願いは、三人がこうして、同じ場所で眠ることだったのだろう」と・・・。
そして翌朝、雅也は栄子が苦しむ声で目覚め、兆治を起こしつつナースコールを掛けて彼女をただ見守ったけど、その願いも届かず一筋の涙を流したままついに息を引き取りました。雅也は悲しみのあまり「オカン!」と泣き叫び・・・。
その日、東京は、突き抜けるような快晴で、
青空がどこまでも広がる中、赤羽橋の交差点から、
真っ赤な東京タワーが、空にはしごを掛けていた。
その後栄子が好むような賑やかな告別式が行われたけど、火葬場では兆治は何も言うことができず、彼女の棺桶にすがってただ泣き崩れるだけ。そんな父親の姿を見た雅也はアパートに戻ると、「オカンが死んだら開けて下さい」と書かれた栄子の箱を開け、中には貯金通帳や生命保険証書や古いお札の他に「マー君へ」と書かれた手紙があり、彼に対する最後の思いが切々と綴られていました。雅也は手紙を最後まで読み終えると、それを胸に抱きながら静かに涙を流し・・・。時は流れて栄子の四十九日を迎え、雅也は兆治と東京タワーの麓にある彼女の墓へ行き、二人は墓前で語り合いました。そこで兆治は栄子と過ごした日々を振り返りながら、雅也に今後のことを忠告し・・・。それから数年後、2001年の春。雅也は栄子の遺影を持って東京タワーの展望台へ行き、生前の約束を果たしたのでした・・・。
今日も東京には、
どこからか人が集まり、溢れ返っている。それぞれが、一人で生まれ、一人で生きているような顔をしている。
けれど、当然のことながら、
その一人一人には、家族がいて、大切にすべきものがあって、
そして、母親がいる。
この先いつか、あるいは既に、
この全ての人たちが、ボクと同じ悲しみを経験する。
今までだったら、単に街の風景でしかなかったその一人ずつが、
とても大きく見えた。
みんなすごいなあ。頑張っているんだなあ。オカン。
あれから何年か経ったけど、
今でもボクは寂しいでたまらんよ。
なんかっちゅうて、いっつもオカンの姿を思い出しよる。
もっといろんな話、したら良かった。
いろんなもん食わせてやれば良かった。
たくさん、旅行させてやれば良かったっち。
いっつも後悔してから、涙が出よる。
いつでんできたのに、何でせんかったんやろうか。
オカンの毎日は、楽しかったんやろうか。
オレの方は相変わらずや。
仕事はちっとマシになりよるけど、
まだどうなるか分からん。結婚もしとらん。
相変わらず、オカンの心配するような生活をしよる。ばってんオカン。
ボクも、もう少し、こっちで頑張るけん。見とってね。
今までいろいろごめんね。
そして、ありがとうね。
オカンに育ててもろうたことを、
ボクは誇りに思うとるよ。(東京タワーの展望台から景色を見る、雅也と遺影の栄子)
「オカン、すごかねえー!
オカン、今日は天気が良いで、良かったねえー。」
当初から分かっていた、オカン・栄子の最期。その日が訪れた時、雅也はとても悲しみ、オトン・兆治もまた悲しみました。しかしその後、二人とも栄子と過ごした日々を心に抱きながら今を生き、栄子もまた天国からその二人や仲間たちを見守っていることでしょう。ラストで語られた雅也のオカン宛てのメッセージは、何気無い口調の内容でありながら素晴らしいものがありました。東京での共同生活や母親の死を通して、雅也も以前よりは成長したことでしょう。オカンにその姿を見せ付けるかのように・・・。
ドラマとしての感想をまとめると、ストーリーの良さが冴える中、音楽面の良さを高く評価しました。シーンに合った使い方がかなり効果的で、コブクロの主題歌「蕾」は毎回良いシーンで流れたし、各種BGMも自然な形で流れたし、サントラ盤は必聴モノかも。そして何より、東京タワーの様々な姿を見せ付けられ、主要シーンが強く印象に残りました。私は「名作」だと思いましたね。さて、放送時期が前後するけど、昨秋見逃したSP版を見られることになったので、近いうちにこの連続ドラマ版と比較しながら見ようと思います。最後に一言、現在まだまだ元気な自分のオカン(母親)とオトン(父親)に対して、今のうちにしっかりと親孝行をしておこうっと!
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コメント
最終回、号泣はしませんでした。
マー君の優柔不断さが、どうしても目立つのは、しょうがないのでしょうね。
投稿: mari | 2007.03.27 03時52分
こんばんは!
ドラマアカデミー賞があったら間違いなく、音楽賞受賞のドラマ(笑)
コブクロの蕾のイントロが流れると、自然とわっ~~~~(;;)とくるの。
すごい効果があった。いい歌だ~1話からずっと泣いてた。
でも、最終回だけ泣けなかったぁ。。。残念(笑)
悪くなかったんだけど、泣き過ぎたのかな?
コブクロの使い方が「そこじゃないだろ」って思ったんだぁ。。。
東京タワーって、東京でひとり暮らしをしたことがある人には
感慨深いものがあるのよね。
今度は映画を見ますよ~♪
投稿: アンナ | 2007.03.27 21時03分
うんうん、音楽もストーリーも良かったです。
で、コブクロの主題歌も実にマッチしてて
ドラマとよくあってました。
いやー、コブクロはさすがですね。
なんで前のレガッタはコケたんだろ。( ̄▽ ̄;A
東京タワーは映画も舞台もこれから始まるみたいですが
また新たなオカンストーリーが拝めそうですね!
投稿: ろーじー | 2007.03.27 22時36分
精一杯生きたオカンだから、最期はお疲れさまという気分にさえ
なっちゃいましたわ~。
オトンとの結婚生活には恵まれなかったオカンだけど、
その分、精一杯息子に愛情を注いだオカン。
ドラマの主人公はマー君だけど、オカンの存在感は圧倒的でした!
あずさん同様、親孝行を誓うと共に、子供への無償の愛を
捧げよう・・・捧げたい・・・捧げるように努力をしようと誓った
ダメ母がここに(笑)。
投稿: まこ | 2007.03.28 00時08分
>mariさん
私も号泣するまでには至らなかったけど、親孝行は今のうちにしておくべきだと思いましたね。そうそう、マー君の優柔不断さには私も後半までイライラしましたよ!
>アンナさん
音楽賞は間違いないでしょうね。コブクロの主題歌「蕾」も関山藍果の挿入歌「motherhood ~me & my mom~ <Vocal ver.>」もその他のBGMも、皆良かったし? 私も以前東京で長期出張生活を送ったことがあって、その始まりが東京タワー付近でのホテル暮らしだったので、かなり感慨深いものがありましたよ!
>ろーじーさん
やっぱりコブクロの「蕾」がドラマに合っていましたよね。かなり支持が高かったと見た! でも、やっぱり「レガッタ」での“もこみち&コブクロ”コンビの失敗を思い出してしまって(苦笑)。このドラマが映画や舞台の公開に向けての中間点だと思うと、まだまだ今後のことを期待してしまいますね!
>まこさん
私もオカンに「お疲れさまでした」と言いたいですね。雅也たちをあんなに頑張って見守ってくれたことだし。タイトル通り“時々”出てきたオトンも、なかなか良い味を出していましたね。泉谷さんは、ああいった役はなかなかのもの? まこさんもオカンの立場で、子供さんたちをどうぞ見守ってあげてください!
投稿: ads(あず)@管理人 | 2007.03.29 01時59分