花嫁は厄年ッ!・第12話(最終話)
レビューの辞退はしましたが、視聴だけは続けてこられました。今回で最終話を迎えたということで、最後に軽くまとめておこうと思います。今クールは「全10話」や「打ち切りで全9話」が多かったけど、このドラマは意外にも「全12話」と長めだったんですね。「そこに意味はあったか?」って? 聞くの?(笑)
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○TBS系「花嫁は厄年ッ!」
第12話(最終話)「女32歳!災い転じて幸せわしづかみ!!」
結婚式当日、幸恵(岩下志麻)の入院を知った明子(篠原涼子)と一郎(矢部浩之)は、式を中止して病院に駆け付けた。目を覚ました幸恵は、式を投げ出してきた二人を叱責。それでも明子は「大事な日だからこそ、お義母さんにも見てもらいたい」と訴える。一同の賛同の下、幸恵の病室で式を行い、二人は永遠の愛を誓う。
明子がアナウンサー生命を懸けて仕組んだ「農家の嫁・奮闘記」。その取材先は元カレ・一郎の実家である田舎の桃農家で、3ヶ月間に及ぶ花嫁修業の体験取材に挑んだけど・・・。途中で家族に取材目的だったことがバレつつも、明子は一郎と復縁してなんと本当に結婚することになり、家族にもようやく理解してもらえました。この最終話では幸恵が病で倒れ、病室に家族を集めての挙式後、明子と会話中に目を閉じて息絶えたかに見えたけど(救急車のサイレンも鳴っていた)、その直後のCMが明けたら「ただ休んでいただけ」だったようで問題無しと(苦笑)。そして3年後、相変わらずの状態で過ごす中、明子が一郎との子を宿らせていることが判明して幸恵さえも大喜び。最後は明子が幸恵に「聞くの?」と言い返していたけど、今後もその桃農家は相変わらずの状態で過ごしていくんでしょうね!
それで、まとめ感想だけど。聞くの?(笑) そう、このドラマの最大の魅力は、もうストーリーどうこうよりも幸恵の名セリフ「聞くの?」だけにありました。そう言われてなおも「聞きたい」と答えるということは、その人は相手の言葉を心して聞かねばならないという、そんな力を秘めています。“「今日プロ野球はどっちが勝った?」→「聞くの?」”、“「今晩の夕食はなあに?」→「聞くの?」”、“「このドラマってどうよ?」→「聞くの?」”と、多種多彩の使い方ができるということです。使える日本語ですね。覚えておこう!(おいおい)
実はスタート当初から期待作に挙げていたドラマでした。初回話は桃農家の妙な性格ばかりの家族紹介がメインで面白く、第一印象としては絶賛。しかし第2話で、企画としては面白いと思った「ニセ花嫁修業」なのに実際の取材状況を見ていると腹ただしくなり、レビューでも激怒の嵐。第3話で何とか持ち直したけど、そこでレビューを一旦辞めてしまいました。「元カレの実家に住み込んでいるうちに家族との絆が強くなり、いずれ元カレと結婚して本当の嫁になる」というストーリーが完全に見えていて、「書くまでも無い」と思ったためです。それは別に私だけじゃなくて、多くの人が予想できたでしょう? 幸恵がラストで亡くなって悲しく締めていたら、それは大きな間違いで申し訳無い気持ちにもなっただろうけど、全12話構成にまでして引っ張っておいてそんなラストは最悪だし?
明子を演じた篠原涼子さんは、近年では「anego」や「アンフェア」等で「頼れる姉さん」みたいな役が多かったけど、この明子っていうキャラはあまり頼れず情けない要素を多く持ち備えていたような。大体、東京と福島を往復し過ぎるんだよ(笑)。でもまあ、そんなキャラを上手く演じていたことで「さすがだなあ」と思ったのは事実です。また、「数年間の関西勤務で関西弁が染み付いた」という設定の一郎を演じた矢部浩之さんは、意外にも演技が上手くて賞賛したけど(失礼)、やっぱりその設定には無理がありましたね。現実にもそのように関西弁が染み付いた知人がいるから無理矢理に納得していたけど、「田舎に帰った時くらいもっと染み付いているはずの地元弁でしゃべれよ」と思ったのは事実です。それから、桃農家の面々。しゃべる言葉が標準語だったり田舎弁だったりでムチャクチャでしたね。その辺りで「ちっともリアリティが無いなあ」と思ったのは事実です。このような事実を置いて妄想を語ると、「桃農家」が舞台なんだから、「桃」を重視して童話「桃太郎」にまつわる役名だったら面白かったんじゃないかな? 明子は「桃子」、一郎は「太郎」、他は「犬子」、「猿夫」、「雉助」等。もちろん幸恵は「鬼恵」で決まり!(ごめん)
そんな中、私が結構評価していたのは音楽面。SUEMITSU & THE SUEMITH(スエミツ・アンド・ザ・スエミス)さんがBGMを全曲書き下ろし&生演奏でプロデュースして主題歌「Astaire」も歌っていたけど、毎回頻繁に流れるある曲(おそらくタイトルは「Miss Unlucky Year」)とそのアレンジ版の出来は特に良かったと思いました。あの曲を聴くと何だか明るい気分になれたりしてね。後に「Astaire」もフルコーラスで聴いたんだけど、意外と難しい音取りでありながら見事に歌いこなしているなあとね。以前彼が「ミュージックステーション」に出演した時のトークで知ったんだけど、彼は音楽のある生活で育った音大出身のアーティストで、「朝起きて一発弾く(ピアノ)」という表現が印象的でした。そんな彼が繰り出す曲たちについて、「聞くの?」と問われれば「もちろん“聴く”さ!」と答える私でありましてね(笑)。
名作を多く送り出す秦建日子さん他数名の脚本作だから、当初から大いに期待していたんだけど。演劇ユニット・秦組の役者も続々登場し、秦さん自身も監督デビューを果たしたんだけど。“大絶賛・大悪評・中和”と続いて最後まで見届けた上での最終評価は、「なかなか面白かったなあ」といった感じでした。
○関連記事「花嫁は厄年ッ!・第1話」
○関連記事「花嫁は厄年ッ!・第2話」
○関連記事「花嫁は厄年ッ!・第3話」
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企画原案「奥さまは毒舌―農家の長男と結婚したら…すごいよ!」(青月ぱそる)
主題歌「Astaire」(SUEMITSU & THE SUEMITH)
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コメント
あずさんの記事を拝見した感想・・・
聞くの?本当に聞きたいの?ならば言いましょう!(笑)
ほんと、無理な設定でしたよね~。←これに尽きる!
人物設定もあやふやで、いっそそんな事が気にならないくらい
ドタバタ喜劇になる事を願ってたんですけど・・・
この幸恵さんの決めセリフが表してるように、思わせぶりな作りの
ドラマだったなぁと・・・
キャストや脚本家の名前だけで、過度な期待をかけてはダメというのを
学んだ作品でしたσ( ̄∇ ̄;)
投稿: まこ | 2006.09.26 11時51分
まこさん・・・、聞く(笑)。そして・・・、おっしゃる通りでした。ポイントは「ドタバタ喜劇」でなかった点ではないでしょうか? 明子と幸恵がもっと真っ向から勝負していたら、ありがちな展開かもしれないけど面白みが増していたかもしれませんね。終わった後の感想としては「何だか中途半端だったよなあ」でした。一応ながら視聴を続けてこられただけでも奇跡でしたよ。
投稿: ads(あず)@管理人 | 2006.09.27 02時57分