タイヨウのうた・第10話(最終話)
TBS系「CDTV」に初出演した「Kaoru Amane(沢尻エリカ)」の「タイヨウのうた」を数日遅れの放送で観賞しつつ、このドラマの最終話の視聴に臨みました。前回最悪な事態が続いたまま終わったけど、この最終話で何がどうなるのかはずっと気になっていました。ラストは太陽のように明るい雰囲気になるのか、または月夜のように暗い雰囲気になるのか・・・?
○ドラマ視聴率は本館サイトの該当コーナーから!
○TBS系「タイヨウのうた」
第10話(最終話)「絶唱」
薫(沢尻エリカ)に呼吸器障害が現れた。思うように声が出ず、歌うことが困難になった薫は、手術をしなければならなくなる。一方、薫たちのバンドは、麻美(松下奈緒)が孝治(山田孝之)との過去の出来事を世間に告白したことで、再びデビューできるように。麻美の復活ライブで、薫たちのバンドも出演することが決まる。
薫が呼吸器障害により手術を余儀なくされ悩んでいる中、麻美は工藤(要潤)に会って交渉し、他人から曲を受けてでも再デビューすることで話がまとまりました。またその麻美の提案で、彼女の復活ライブにて孝治や薫たち5人によるバンド「ムーンチャイルド」を初披露させることになり、病室にいた薫へ雄太(田中圭)、晴男(濱田岳)、隆介(川村陽介)、そして工藤が“事実上のバンドデビュー再決定”を伝えました。薫の父親の謙(勝村政信)と由紀(黒田知永子)が猛反対する中、病気を患う薫が取った選択は「病気に打ち勝って皆とステージへ上がること」。何としてでもステージへ向かいたい薫は強く懇願し、両親は辛い気持ちのままそれを承諾したのでした。
そして麻美のライブ当日。彼女の歌披露の後に、ムーンチャイルドが紹介され登場するはずでした。しかし控え室で薫の呼吸器障害がまた現れ、紹介後ステージ下から上昇して現れる予定だった彼女は、スポットライトという太陽が照らされた瞬間に倒れてしまい・・・。孝治に抱きかかえられた薫は「もう少しだったのに・・・」と残念がると、孝治はすかさず励ましの言葉を贈り、薫は涙を流しながら「ありがとう・・・」と言った後でついに息絶えました。取り残された孝治は「絶対に泣かないぞ」と言いつつも、泣いて彼女を抱きしめたのでした。後日孝治は工藤に会い、工藤が練習時のボイスチェックを録音しプレスしたCDを差し出し発売の許しを求めると、孝治は「薫も喜ぶと思います」と言って承諾。さらに工藤から「ギタリストを探している。うちへ来ないか?」と誘われ、孝治は「はい」と快諾しました。やがてムーンチャイルドの5人の立ち姿がジャケットになった「タイヨウのうた」が店頭に並んで順調な売れ行きを見せ、孝治は海岸へ向かい太陽の下で静かに目を閉じて、自分のギター演奏で薫が歌う光景をイメージしました。目を開けると、薫はもう横にいない・・・。しかし孝治は、空を見上げて太陽を見た後、薫のことを胸に抱いたまま歩き始めたのでした。
なるほど、確かに最後は「良いラスト」だったのかもしれない。「純愛ストーリー」だったのかもしれない。でも、全体的に見てどこか同調できずにいた時期もあったような・・・。そもそも、色素性乾皮症(XP)という難病を持った“雨音薫”という女性の言動や行動に、納得や共感ができない点がいくつかありました。持病を気にする彼女の辛い気持ちはどれほどか分かったけど、「何故そこでそう言うのか?」、「何故そこでこうしなかったのか?」という点が目立ってしまったんですね。正直なところ、初回話から印象の良い回と悪い回、あるいは明るい回と暗い回が交互に展開され、前回第9話に至っては最悪の事態ばかりでレビューでも多くを語れず困ったくらい。今クールの期待作に挙げていたこともあって、録画し続けていずれ永久保存版にしようとも思ったけど、中盤の回で思い改まってそれまでの録画を消してしまったくらい。TBSがこのドラマを「世界の中心で、愛をさけぶ」と「いま、 会いにゆきます」に続く“純愛三部作の完結篇”と位置付けていた割には「純愛」とはあまり思えませんでした。「ただの恋愛」ではなくとも、「純」では無かったというレベル。微妙なところです。
こんな結末だったらどうだったでしょうか? このドラマで私的に最も好きだったシーンは第7話のラスト。麻美から“過去への逃亡”の誘いを受けた孝治が“未来への逃亡→希望”を語って説得し、すぐに江ノ島のバンドフェスティバルへ駆け付けて「ムーンチャイルド」としての初活動・初披露・大成功を実現できたシーンでした。この時、メンバー全員が笑顔で演奏を楽しみ、会場は大変盛り上がったわけですが・・・。ここで薫のアップのカットがモノクロに変わり、孝治のナレーションによりその後のことが軽く説明され、薫の持病を置いて一番良い状態のまま終わり、後は視聴者それぞれの思いに任せるという結末だったら? これは暗いラストが予想できた中、XPという病気の現状や辛さを中盤までの回で視聴者へ伝えきったことや、あえて明るいテンポの曲「invitation」を主題歌に当てたこと等から、「太陽のように明るい雰囲気を維持したまま終わるのはどうだろう?」と考えた結果です。恐れ多くも私が脚本を担当していたら、きっとそんな結末を思い描いただろうなあ・・・。
ということで、ドラマ版は上記の結末と印象のまま終わりました。こうなると、未見の映画版が気になりますね。いずれ見て比較してみたいと思います!
○関連記事「タイヨウのうた・第1話」
○関連記事「タイヨウのうた・第2話」
○関連記事「タイヨウのうた・第3話」
○関連記事「タイヨウのうた・第4話」
○関連記事「タイヨウのうた・第5話」
○関連記事「タイヨウのうた・第6話」
○関連記事「タイヨウのうた・第7話」
○関連記事「タイヨウのうた・第8話」
○関連記事「タイヨウのうた・第9話」
○関連カテゴリ「世界の中心で、愛をさけぶ」
○関連カテゴリ「いま、会いにゆきます」
○関連カテゴリ「白夜行」(山田孝之くん主演)
○関連カテゴリ「1リットルの涙」(沢尻エリカさん主演)
挿入歌「タイヨウのうた(初回限定盤・DVD付)/(通常盤)」(Kaoru Amane[沢尻エリカ])
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
ads(あず)さん、こんばんは。
映画を見た方は、さらっとしていたと感想が多いです。
ドラマ版は、要らないエピソードが多かったと思うし、それが解決する前に終っていました。そんなのありでしょうか?
レイサは、かき回して、後は影からのぞいているだけなんて!
あずさんのおっしゃる通り、最後の演奏で、そのまま終らせればよかったと思います。
XPについて、あまり詳しい情報はありませんでした。それならせめて希望を少しでも見せてくれたら、私達も気分が晴れたと思うのです。
投稿: mari | 2006.09.20 03時33分
“純愛三部作の完結篇”←事前にこんな事聞かされてたもんだから
期待が大きい、大きい!(笑)
なのでがっかり感も相当です・・・
他の2作品はドラマ先行で、後にテレビ放映された映画版を見ても
時間が短い分、ドラマ版の方が丁寧に感じたりもしたのですが、
この作品に関しては是非とも映画版を見て納得したいですぅ~。
このままじゃ不完全燃焼・・・・・・
投稿: まこ | 2006.09.20 11時43分
こんにちは
ホントなんだかなぁーと思ってる間に終ってしまいました(^^;
中盤の周囲の要素を含めて描くなら12話必要なドラマだった
気がしてます
一番大切なところが
一番薄くなっちゃった
とっても残念です・・・
投稿: Lady-e | 2006.09.20 14時19分
>mariさん
TBS系の「純愛三部作(ドラマ版)」は、映画版にサブストーリーを肉付けして展開されるのが定番だけど、それが好評か否かは様々でした。「セカチュー」はかなりマル。「いま会い」はイマイチ。そしてこのドラマは「まあまあ」だったのかな? 映画版を見ないことには正しく評価できないけど。mariさんから見ればそんな感想だったんですね。無駄な部分は少しだけ感じたけど、そういった部分のことなのかな・・・。映画版と切り分けて、ドラマ版は私が書いたように良い所で終わっていたら無難だったかもしれませんね。薫という女性にあまり共感できなかった分、特にそう思います。うん、「希望」を重視してほしかった!
>まこさん
「純愛三部作の完結篇」と銘打っていたということは、かなり自信があったんでしょうね。ただ、それは視聴者には思うように伝わらなかったのかも? 「また見たい!」とは思えず小さくガッカリでした。山田くん主演の「白夜行」や沢尻さん主演の「1リットルの涙」の方が数倍良かったなあ・・・。映画先行のあるストーリーについて、長くじっくり見たいケースと短く端的に見たいケースの両方があるものですが、このドラマは前者ではなく後者に近かったような。映画版がどのようにまとまっているのかが気になりました。やっぱりいずれ見て比較してみなきゃ!
>Lady-eさん
このドラマ版は、ラストまでにまとまりきらなかった部分があって残念でしたね。全1x話もやったのなら、もう一話分追加してちゃんと描いてほしかったです。「一番大切なところが一番薄くなっちゃった」ですか、上手くまとまり過ぎていて言及するまでも無いな・・・。
投稿: ads(あず)@管理人 | 2006.09.22 02時18分