トリノ五輪・フィギュアスケート女子シングルの結果~荒川が「金」~
トリノオリンピック第14日の2/23(日本時間2/24)、フィギュアスケート女子シングルのフリー決勝で荒川静香選手(プリンスホテル)が金メダルを獲得しました! これが今大会における日本初の金メダルであり、日本フィギュア界初の金メダルということで、日本中がとにかく大騒ぎ。本当におめでとうございます! その他日本人選手は、村主章枝選手(avex)が4位、安藤美姫(中京大中京高)が15位という結果に終わりました。
前日のショートプログラム(SP)では、サーシャ・コーエン選手(アメリカ)が首位、世界女王イリーナ・スルツカヤ選手(ロシア)が2位、荒川選手が自己ベストの3位となり、村主選手が4位、安藤選手が8位となりました。この時点で“今大会初の日本人メダリスト”に近づいたのが荒川選手で、首位との0.71点差を覆すことができるかどうかが見ものでした。そしてフリー決勝が行われた後になる日本での早朝(2/24)、起きてすぐにテレビを付けると、画面には「荒川静香金メダル」の文字が! やった、やっぱり獲れたんだ! 日本人として、一日中喜びでいっぱいでした。
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以下は、上位選手&日本人選手の演技(特にフリー)についての私の感想です。今大会で最も注目し、大きく語りたかったことです(その割に多忙で遅れてしまいましたが)。本音で語ってしまいますが、そのせいで気を悪くされたらごめんなさい。なお、ここからは敬称略とします。余談ですが、理由あってフィギュアスケートには詳しいのでありまして・・・。
○荒川静香(日本)[金メダル]
フリーでの曲目を、2004年世界選手権で優勝した時の使用曲「トゥーランドット」に急遽変更した荒川。今だから言えることかもしれないけど、その変更は正しかったのかも。今回は超技を抑えて大技で無難に勝負を懸けた形になりました。彼女の見せ場の一つはイナバウアー(上体反らしの横断)だけど、評価として特にプラスにならないこの技を披露することにより、観客はその優美さに拍手喝采。イナバウアー自体を今回初めて知った人も多かったかも。そして演技終了後は、スタンディングオベーション。すごかったですね~。うれしかったですね~。欲を言えば、スピンやイナバウアー等の各技でもう数秒だけ持続してくれるとうれしかったけど、全体的に見てやっぱり素晴らしい演技だと思いました。実は当初から、日本人選手の中では彼女が最も世界に通ずると思っていました。逆転優勝に、改めておめでとうございました!
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○サーシャ・コーエン(アメリカ)[銀メダル]
ショートプログラムで圧倒的な強さを見せた小柄の妖精。しかしフリーでは、コンビネーションジャンプで転倒や手付きがあり、まさかの2度失敗。その後立ち直って、得意である180度開脚のスピンやスパイラルを決めたものの、やはり減点が大きく残念ながら・・・。コーエンはこのように「惜しくも銀」というパターンが多いんですよね。今大会でも(やはり)銀となったことで、精神的にも辛い状況にありそう。序盤のミスさえ無ければ、荒川の追い上げをよそに文句無しの金メダル獲得で喜んでいたことでしょう。
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○イリーナ・スルツカヤ(ロシア)[銅メダル]
今でこそ「世界女王」という冠をかぶってその地位に君臨しているものの、実は苦労が絶えない悲劇のヒロインなのでした。かつて強豪選手たちが上位を独占していた頃、多くの大会で5位ほどに終わっていた彼女。その後世界選手権等で優勝を重ねたものの、オリンピックという場ではどうしても金メダルが獲れず、今大会でも中盤の転倒が響いて同じく・・・。もし金だったら、男子シングル(エフゲニー・プルシェンコ)、ペア(タチアナ・トトミアニナ&マキシム・マリニン組)、アイスダンス(タチアナ・ナフカ&ロマン・コストマロフ組)と揃って、「五輪史上初のロシア勢完全制覇」という夢を実現できたけど・・・。一番辛いのは彼女でしょうね。でも演技は世界女王らしきものでした。
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○村主章枝(日本)[4位]
“顔の表現力”に定評がある彼女。私はジャンプの際に最大5秒近く静止形の助走をしてしまうのが、正直嫌いというか演技が冷めてしまってもったいないと思っているんだけど。でもジャンプ自体はキレがあって良かったですね。あまり超技を持たないけど、その分高速スピンという武器があって、今大会でもしっかり決めてくれました。惜しくもメダルに届かなかったけど、何十人もいる参加選手の中でこの順位は立派! 充分結果を残したと言えるのではないでしょうか。
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○安藤美姫(日本)[15位]
“日本フィギュア界のアイドル”とでも言いましょうか、フィギュア界を最も盛り上げてくれた彼女。それはいろんな意味で(笑)。悪いけど、最初からメダル獲得には期待していませんでした。理由は、体の固さにスタミナ不足に不安定な滑りと、要素は盛り沢山。期待された4回転ジャンプは(予想通り)失敗。その後も演技にキレが無く、少なくともきれいな演技には到底見えませんでした。15位という順位は妥当な線だと・・・。スポンサー絡みで五輪出場を決めた(という噂としておく)けど、日本中から思いっきり非難を浴びた割に「自分が楽しめれば良い」みたいな競技前コメントを淡々と言っていたもんだから、益々期待感が薄れてしまったり。残念ながら、予約語として用意しておいた「やっぱりコケたか」が口から漏れてしまいました。彼女はもはやフィギュア人生としてのピークを超えた? “ミキティ”という愛称が広まり過ぎて、“現役ミキティ”である「モーニング娘。」の藤本美貴&そのファンは酷く困惑した? でも同じ地元民であるし、フィギュア界の盛り上げに貢献したことだけは褒めたいと思います。
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○エレーナ・リアシェンコ(ウクライナ)[17位]
エレーナ・リアシェンコ様。ただ華やかなだけではない、あなたのスケートが好きです。ああ懐かしい、長野オリンピック時のIBMのCM・・・。17位に終わったけど、あなたは変わらず美しかったです。私的にファンなので、あえてコメントさせていただきました。
以上は、今大会の結果における話でした。さてここからは、「もしあの日本人選手が出場していたら?」という視点でいくつか書くことにします。
○中野友加里(日本・早大)
もし彼女が出場していたら? 彼女は超技こそ持たないものの、大技を駆使しながらの失敗の無い安定した演技が評価に値します。ジャンプ時の足のばらつきは気になるけど、得意のドーナツスピンでポイント回復。メダルには届くかどうかという微妙な線だけど、10位以内には入れたかも。今勢いに乗っている注目の選手を、何故誰かさんの代わりに起用しなかったのか・・・。
○恩田美栄(日本・東海学園大職)
もし彼女が出場していたら? 私は彼女の演技の影響で、「フィギュアスケートとは、ジャンプだけ見れば良いもの」という思いが長らく付きまといました。昨年末の「第74回全日本フィギュアスケート選手権大会」でもとにかくジャンプが目立ったものだけど、それだけではやはりダメかと。それはオリンピックという場でも同じで、やはり及ばずだったと。一旦引退報道があったけど、実際どうなんでしょう? そういえばあの選手権大会の結果は、納得がいかなかったなあ・・・。
○浅田真央(日本・グランプリ東海ク)
もし彼女が出場していたら? いや、年齢制限の規定で、どうしても出場できないということだったんだけど、「もしも」という前提で。今大会の結果を知った上で言わせてもらえば、やはり確実にメダル圏内だったと思いました。もしかしたら、金メダルを獲得した荒川をも超えていたかも? トリプルアクセルを始めとするジャンプを高い確率でいとも簡単に決めてしまうのはすごい。レイバックスピンからビールマンスピンへの連係をワンハンド(片手)でひょいと決めてしまうのはすごい。スパイラルやフィニッシュ前等での一風変わった演出を盛り込んでの可愛げある演技はすごい。特に緊張せず銀盤の上で楽しんでいるように超技をこなすのがすごい。このように、すごい要素をいくつも持っています。「訳ありで出場できず」というのは、本当に残念だったなあ・・・。でも次期大会のバンクーバーオリンピックでは、少し大人びた姿で活躍してくれるはず。体が固くなっていなければ良いけど。早くも期待大です!
→「あずスタ」過去記事
というわけで、ここまで読んでくれてありがとうございました。改めて、本音で語ってしまいましたが、そのせいで気を悪くされたらごめんなさい。ひとまず結びとして、荒川選手の金メダル獲得並びに日本人選手の活躍ぶりを忘れてはなりません。ご苦労さまでした!
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