神はサイコロを振らない・第1話
作家・大石英司さんの小説「神はサイコロを振らない」が、このたび日本テレビ系でドラマ化されました。タイトルの「神はサイコロを振らない」とは、かつて「相対性理論」を発表したアインシュタインが量子力学を批判した際の名言で、その確率的で曖昧な理論をサイコロに例えたとのこと。天才は言葉を選びますね!
○ドラマ視聴率は本館サイトの該当コーナーから!
○日本テレビ系「神はサイコロを振らない」
第1話「10年ぶりに突帰還した恋人や親友…38歳・女捨ててんじゃねえよ」
消息を絶った旅客機の乗員、乗客が10年後に帰還、再会を果たした人々の人間模様を描く。’96年夏に旅客機が乱気流に遭い、姿を消した。航空会社社員・ヤス子(小林聡美)は、親友で客室乗務員の亜紀(ともさかりえ)と恋人の副操縦士・哲也(山本太郎)を失う。一方、物理学者の加藤(大杉漣)は旅客機が必ず戻ると提唱。予定日に飛行機が出現する。
な、何ですか、この神ドラマはっ! まずは流して見ていたけど、「ポカーン」としていたらもうエンディング(笑)。それで見返してみたら、「だっちゅーの!」の辺りで泣けた(笑)。今クールで初めて涙を流したのがこのシーンですよ? このドラマって、もしかして思ったより化けそう?
時は1996年8月10日。壱岐島発長崎行きの東洋航空402便がフライト中に突如として姿を消し、乗客28名と乗務員が行方不明になり「死亡確定」扱いに。しかし当時大学教授だった量子物理学者・加藤は「10年後の2006年2月10日に再び現れる」と断言し続け、当日長崎空港には402便が本当に出現! ネットでは「奇跡の瞬間に、萌え~」。加藤は出現に「キターッ!」。「電車男」じゃないです。「飛行機男」です。でもあまり関係無いかも・・・。
この後の展開というのが、乗客と遺族(ではないけど)の再会シーン。いわゆる「だっちゅーの!」の辺りね(笑)。死亡確定で諦めていた人たちが目の前を歩くのだから、そりゃあ驚きと共に喜びまくり。そしてヤッチ(ヤス子)とアッチ(亜紀)が、再会と同時に目と心で会話して喜び合うのはすごく良かったなあ。さすが同局系ドラマ「すいか」からの名コンビ! そうかと思えば、ヤッチは勝手な判断で402便の乗客の救助に動いたことで東京へ戻るよう言い渡されたんだけど、ここでアッチが空港へ急いでヤッチを引き止めようと強く説得。「ヤンキー口調になってんじゃねーよ!」って感じで(笑)。でもヤッチの心は変わらず、逆にアッチへこう言ったのでした。
ヤッチ「あのね。」
アッチ「なんだよ!」
ヤッチ「18歳から28歳までの10年と、28歳から38歳までの10年は違うの。
おんなじ10年だけど違うの。少なくとも私は違ったの。
ま、あんたもこれからいろんなことあるでしょう。
身体にだけは気を付けんだよ。じゃ。
あっ、その前髪、ちょっと・・・。」
このヤッチの言葉は、深いなあ・・・。確かに違うだろうなあ・・・。ちょっと震えた名言でした。それから、実は無事戻ってきた402便だけど、「402便は再び10年前に引き戻される。残された時間は、あと9日。」だそうです。時空を超えた不思議な物語。神が運んできた運命のいたずら。この先、いったい何が起こるのか?
十年前のあなたは、
どんな あなたでしたか?
最後はこんなワープロ打ちの字幕が表示されました。十年前は学生でした。量子物理学でなく音響工学を専攻した私は、暇さえあれば音いじりばっかやっていたなあ。ああ、あの頃に戻りたい・・・。
というわけで、「これは思ったよりも面白そう!」といった第一印象でした。何せ脚本が私も一目置いている水橋文美江さんだから、どこか安心感はあったんですよね。まあこのドラマは「夢物語」みたいなものだから、「ああ、そういうこと?」と理解するまでには時間が掛かったけど(苦笑)。水橋さんはセリフ回し(特に女性キャラ)が上手いというか、ツボにハマるセリフが突然飛び出したりするから、良いなあと思っています。また主題歌は、Ryohei feat.VERBAL(m-flo)の「onelove」。おお、バーバルだハー、イエーイ! m-flo好きなのでうれしかったりします。近年の日テレは、土9ドラマも強いけど水10ドラマも勢力を増しているように思えるんですよね。視聴率こそよろしくないとしても、最終的な批評としては最高位にまで上り詰めたり。だから期待してみようと思います!
サイコロは、しばしば「転がす」とも言われます。どう転ぶか分からないドラマに、私も一つ転がされてみるかな?
ちなみに、原作の著者である大石英司さんは、ココログで毎日のように長文記事を書いてらっしゃいます。特に時事ニュースネタが多いので、興味ある方は一度読みに行ってみてくださいね!
○関連サイト「大石英司の代替空港」
【 http://eiji.txt-nifty.com/diary/ 】
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コメント
SF的要素を背景にうまく展開しているドラマでした。
笑えるのに、端々にいい言葉が転がっており、初回から「これは期待できそう~」と思いました。
やっぱり小林聡美さんのドラマは外れないなぁ。
主題歌も良かったですね!
投稿: lavish | 2006.01.24 16時55分
旅客機を勝手に大型旅客機と勘違いしてたあたしは、
唯一、飛行機の大きさにがっかりした以外、
最初から最後まで夢中でみましたYO!
ヤッチのアッチへの態度も、最初は冷たいなーと
思いつつ、見終わって時間の経過と共にじ~ん・・・
前クールに引き続き、この枠とは相性がいいみたいです♪
投稿: まこ | 2006.01.24 21時26分
あずさん、おはようございます!
水10、『あいのうた』に引き続き、良いドラマが続きましたね!
最後にはお別れという悲しい結末が待っているようですが、
その中で、登場人物たちは笑顔で終わるような気がします。
いいドラマになりそう!期待大です。
投稿: ちーず | 2006.01.25 09時04分
あずさん、こんにちは。
私も、全く同じところで涙しました!10年振りに再会する家族や友人達の
むせび泣く感動の場面ですから、仕方ないですが、、、
「だっちゅーの!」のタイミングにポロリって、、^^;でした。
小林聡美さん、大好きでやっぱ外さないドラマだと思ってます!
投稿: めいまま | 2006.01.25 13時06分
>lavishさん
同じような感想で、初回話から大ヒットですよ! 「あいのうた」続きで楽しませてくれそうです。小林さんのドラマは味がありますよね。普段はおちゃらけているんだけど、言う時はズバッと言うみたいな? そこが彼女の持ち味でもありますよね。これはしっかり追っていく予定です!
>まこさん
飛行機は案外小さいんですよね。まあ大型よりは現実味があると・・・。でも現実には有り得ないようなストーリーでしたね(笑)。夢物語と割り切っているので普通に見られたけど、久々に呆気に取られて2度も見てしまいました。ヤッチとアッチの女の友情もセリフ回しも良し。私もこのドラマとは相性が良さそうです!
>ちーずさん
来ましたねー! 数日間という運命がまた悲しいところだけど、これも「あいのうた」の要素に似ていたり? アッチは良いように終わったから、ヤッチじゃなくてコッチも感動のまま終わってもらいたいですね!
>めいままさん
おお、感激シーンが同じでしたか! しかも、よりによって感極まったポイントが「だっちゅーの!」のシーンだったから、妙なタイミングで泣いてしまったという・・・(笑)。でも本当に面白かったです。小林さんはああいった役柄が上手いというか合っていますよね!
投稿: ads(あず)@管理人 | 2006.01.26 00時45分