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2005.12.25

1リットルの涙・第11話(最終話)

このドラマを見れば分かることですが、難病である「脊髄小脳変性症」の患者は、身体の障害こそ顕著になるとしても意思ははっきりとしています。「伝え合うコミュニケーションが普通にできること」。これは忘れずにいたいです。

○ドラマ視聴率は本館サイトの該当コーナーから!
○フジテレビ系「1リットルの涙」
第11話(最終話)「遠くへ、涙の尽きた場所に」

20歳になった亜也(沢尻エリカ)は、必死に闘病生活を送っていた。病状が進み歩けなくなった亜也だが、連載中の詩や日記が反響を呼び始める。そんな中、亜也は妹・亜湖(あこ・成海璃子)に促され、1年間過ごした高校へ。そこで、医大生の遥斗(はると・錦戸亮)と再会する。その直後、亜也は生きている証しのようにつづっていた日記が書けなくなってしまう。

亜也は本当にすごい人だった!

20歳。病気になって、もう5年が過ぎた。
一つ一つ失って、残されたのは、僅かなものだけ。
昔の私を、もう思い出せない。

こんな亜也のナレーションで始まった最終話。ベッドから懸命に降りようとする際の、足と床のアップシーンが何度もあって印象に残りました。亜湖が描いた家族の絵が入賞し、その絵を見に家族全員で亜也の母校でもある東高へ。医師・水野(藤木直人)が試みた実験も好ましい結果が得られず、残念ながら亜也を助けることは難しいままでした。そんな亜也は、「生きている証」を表現するため、マジックを逆手に持って思いのままの詩をひたすら書き続けていたのでした。時折病状が悪化して寝込む亜也。その彼女の元に、「ふれあいの会」の会報に掲載された亜也の詩を読んだ中学生の女の子から、一通のハガキが届き、遥斗が亜也のベッドの横でそれを読み上げてあげました。

亜也さんへ

死んじゃいたいと思っていました。
私も亜也さんと同じ病気です。
先生に治らないと言われた時は、
いっぱい泣きました。
うまく歩けなくなって、学校でもじろじろ見られて、
付き合っていた彼氏も離れていきました。
何で私がこんな目に合うのって、
毎日毎日お母さんに当たっていました。
でも亜也さんの文章を読んで、
辛いのは私だけじゃないんだと思いました。
私は病気になってからうつむいて、
地面ばかり見ていたことに気付きました。
亜也さんみたいに強くなりたい。
これからは辛くていっぱい泣いても、
その分ちゃんと前へ進みたい。
亜也さんのおかげでそう思いました。

亜也のメッセージは、確かに人の役に立っていたようです。亜也は涙を浮かべながら手を差し伸べ、遥斗はそのハガキを手渡しました。人の役に立てた喜びの言葉を語る亜也。そして遥斗は涙を流してその言葉を受け止めたのでした。やがて亜也は、本人の希望により水野の許可を得て1日だけ自宅へ帰ることに。その前日、瑞生(陣内孝則)と潮香(薬師丸ひろ子)は亜湖や弘樹(真田佑馬)や理加(三好結稀)たちに「これが最後の帰宅かもしれない」と告げておき、当日は亜也を暖かく迎えました。少し早いクリスマスパーティー。潮香から妹弟たちにクリスマスプレゼントが贈られました。亜湖には可愛い洋服、弘樹にはPUMAの白いスポーツバッグ。理加にはカラフルな絵の具。それらを亜也が選んでくれたことも伝えました。続いて、潮香により亜也からの手紙が読み上げられました。

ごめんね亜湖。
最近昔の服ばっかり着ているよね。
私がパジャマばっかりだから、
新しいの欲しいって言えなかったんでしょ?
亜湖、おしゃれ大好きだったのに、ごめんね。

ごめんね弘樹。
小学校から同じスポーツバッグ使ってるね。
中学生になったら、やっぱりかっこいいの持ちたかったでしょ?
遠慮させちゃって、ごめんね。

理加もごめんね。
私に絵描いてくれるために、
絵の具ギュっと絞っても出なくなっちゃうまで使ってくれて。

亜湖。ヒロ。理加。
いつもありがとう。
ずっとお母さんを取っちゃって、ごめんね。

妹弟たちは亜也に感謝の言葉を贈りました。そして翌朝、いつかのように自宅前で家族全員の記念写真を撮りました。この時亜也は、「生きている証」を改めて実感していたのでした。

胸に手を当てる。
ドキドキ音がする。
うれしいな。
あたしは生きている。

その後亜也は話せなくなり、文字板を指でたどって意思を伝える状態で、マジックさえも上手に持てなくなってしまいました。ある夜遥斗は亜也の病室を訪れ、亜也の希望でこれまで書いてきた亜也自身の日記を読み上げました。それを聞いて、過去のことを思い出す亜也。毎回エンディングで語られたメッセージが主でした。最後に亜也から「いきてね ずっといきて」と伝えられ、遥斗は「分かった」と答えました。そのまま亜也は涙を流しながら眠り、大好きだったバスケの夢で見ていた・・・。5年後。亜也の病状が急変し、水野が手を尽くしたが・・・。駆け付けた瑞生と潮香は、ただ悲しむだけでした。池内亜也は、25歳という年齢にして、亡くなってしまったのです・・・。

それから一年後、一周忌の日。潮香は亜也の日記ノートで最後の日記「ありがとう」の次のページに、亜也宛ての手紙を書きました。

亜也へ

あなたと会えなくなって、もう一年が経ちました。
亜也、歩いていますか?
御飯が食べられますか?
大声で笑ったり、お話ができていますか?
お母さんがそばにいなくても、毎日ちゃんとやっていますか?
お母さんは、ただただ、それだけが心配でなりません。

どうして病気は私を選んだの?
何のために生きているの?

亜也はそう言ったよね。
苦しんで苦しんで、
たくさんの涙を流したあなたの人生が何のためだったか、
お母さんは今でも考え続けています。
今でも答えを見つけられずにいます。

でもね、亜也─────。

瑞生と潮香は丘の上にある亜也の墓前へ向かい、赤い花を添えて手を合わせました。そこに水野が花を持って現れ、同じように手を合わせ「お嬢さんはすごい人でした」等と会話した後、そこを去ろうとしました。しかし水野は立ち止まり、「池内さん、やっぱり、亜也さんはすごい人でした」と一言。なんと、亜也の墓碑へ向かって、赤い花一輪を手にして丘を登ってくるたくさんの人が!

でもね、亜也。
あなたのおかげで、たくさんの人が生きることについて考えてくれたのよ。
普通に過ごす毎日がうれしくて、暖かいもんなんだって思ってくれたのよ。
近くにいる誰かの優しさに気付いてくれたのよ。
同じ病気に苦しむ人たちが、一人じゃないって思ってくれたよ。
あなたがいっぱいいっぱい涙を流したことは、
そこから生まれたあなたの言葉たちは、
たくさんの人の心に届いたよ。

ねえ、亜也。
そっちでは、もう泣いたりしてないよね?
お母さん、笑顔のあなたに、もう一度だけ、会いたい。

亜也のメッセージは、確かに人の役に立っていたようです。このメッセージ、転写しながら泣いてしまいました・・・。そしてラストは回想シーン。東高の体育館にいたのは、一人バスケの練習をする亜也と扉付近でたたずむ遥斗。亜也は遥斗がいることに気付いて、笑顔を浮かべたのでした。

生きるんだ。

ここでタイトルバックへ。たくさんの字幕が表示されました。

昭和63年5月23日午前0時55分
木藤亜也さん25歳で永眠
花に囲まれて 彼女は逝った

亜也さんが14歳から綴った日記『1リットルの涙』は
現在、約180万部を発行───

29年の歳月を経て
今もなお多くの人々に勇気を与え続けている

現在、妹の理加さんは
塾の先生として子供達に
勉強を教えている

弟の弘樹さんは
警察官として地域の安全を
守っている

妹の亜湖さんは
亜也さんの通っていた
東高を卒業───
潮香さんと同じ
保健師として働いている

父・瑞生さんと母・潮香さんは
今も亜也さんの想いを
伝え続けている

最終話のタイトルバックは、毎回オープニングで流れる曲に乗せて展開されました。「池内亜也」のモデルである木藤亜也さんは、「平成」という年号を知らぬまま他界。しかしその「平成」の時代になっても、売れた本の部数、いやそれ以上の数の人たちが、亜也さんのメッセージに共感したことでしょう。私もその中の一人です。特にこの実話は、私の地元である愛知県(豊橋市)で起こった話だと知り、より一層共感したのでした。

残された実際の妹弟たちは、姉からの教えを受けて、人に教え、人に伝え、人の役になる職業を選んだようです。亜湖さんに至っては、姉と同じ東高へ入り、さらに母親と同じ職業に就くとは・・・。瑞生さんと潮香さんは、今回ドラマを通してもこの実話が世に広まったことを、亜也さんに報告したことでしょう・・・。

そして亜也さん。やっぱりあなたは、すごい人でした。

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「1リットルの涙」DVD-BOX
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「1リットルの涙」
映画「1リットルの涙」

「1リットルの涙 難病と闘い続ける少女亜也の日記」 「ラストレター『1リットルの涙』亜也の58通の手紙」 「いのちのハードル『1リットルの涙』母の手記」
・原作「1リットルの涙 難病と闘い続ける少女亜也の日記」(木藤亜也)
・書籍「ラストレター『1リットルの涙』亜也の58通の手紙」(木藤亜也)
・書籍「いのちのハードル『1リットルの涙』母の手記」(木藤潮香)

「Only Human」
・主題歌「Only Human」(K)

「粉雪」 「3月9日」
・挿入歌「粉雪」(レミオロメン)
・挿入歌「3月9日」(レミオロメン)

「愛し君へ(ディレクターズカット)」DVD-BOX
・「愛し君へ(ディレクターズカット)」DVD-BOX

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コメント

とても辛いドラマでした。
病気の詳細はわかっても、治療法が見つからないのは残念です。
最後の墓参は、いりませんでしたね。
来年こそは朗報を期待したいです。

投稿: mari | 2005.12.31 18時46分

私も良いドラマだと思いました。でも最後の一周忌のシーンは、「1年経ってもたくさんの人が亜也のことを忘れずにいた」という意味で大事だったのでは?

投稿: ads(あず)@管理人 | 2006.01.02 02時57分

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受信: 2005.12.31 18時47分

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