1リットルの涙・第8話
「1リットルの涙」の文庫本が、今年2月下旬の発売以来売れ続け、僅か9ヶ月で100万部を突破したそうです。映画やこのドラマの影響も大きいわけですが、売れ行きはいまだに衰えていないようです。もう随分前のノンフィクションが、今年になって広く知られて売れに売れるなんて、すごいことですね。そしてこのドラマは、某社による今クールのドラマ満足度ランキング・中間結果で、見事1位に輝きました。まさに今年は「当たり年」だと言えましょう。さて今回、サブタイトルはタイトルそのままの「1リットルの涙」。相当大きな悲しみと感動があるに違いありません・・・。
○ドラマ視聴率は本館サイトの該当コーナーから!
○フジテレビ系「1リットルの涙」
第8話「1リットルの涙」
保護者会で亜也(沢尻エリカ)への対処が問題に。亜也は潮香(しおか・薬師丸ひろ子)の表情から、自分のことだと悟る。亜也が頑張れば頑張るほど、クラスメートの中で亜也に対する不満が増加。そんな中、全国模試が開催されることに。会場へ急ぐ亜也は、バランスを崩して階段から落下。その際、まり(小出早織)にもけがを負わせてしまう。
亜也は今の高校での生活が困難になり、周りの人に迷惑を掛けてばかりの状態。クラスメイトや保護者からも非難を浴びるようになってしまいました。そんな亜也に対して、遥斗(錦戸亮)は暗に励ますよう語り掛け、潮香は「仕事を辞める」と言って家族専属の保健士になることを決意し、瑞生(陣内孝則)も別の仕事を引き受けて稼ぎを増やそうとしました。
そんな中、亜也は全国模試の会場で階段から落下! 足を捻挫して学校を休むことになったけど、落下時に助けようとしたまりも軽いケガを負ってしまいました。それをきっかけに、教室内でクラスメイトたちが密かに抱いていた不満を爆発。ただ、その事態に猛反発していたのが遥斗でした。しかし、教室へたまたま忘れ物を取りに来ていた亜也が、その会話を聞いてしまい・・・。無言で忘れ物を手に取って教室を去る亜也。それを走って追い掛ける遥斗。階段で足を止めていた亜也に、遥斗は「乗れよ」と言っておぶって降り、車椅子に乗せて亜也の自宅まで送ってあげました。歩道橋の上に来た所で、ついに泣き出してしまった亜也。「(前みたいに)何か言ってよ!」と言われた遥斗は、「何もできない」と答えてその無力さに涙を流しながら自分を責めました。でも亜也は、そんな遥斗に感謝を込めて「ありがとう、麻生くん(遥斗)」と言ったのでした。笑顔を見せた亜也と、その場に崩れた遥斗。空からは白く大きな雪が降り、そのバックではレミオロメンの挿入歌「粉雪」が流れたこのシーン。とても印象に残るものがありました。
今ある状況を深く考えたであろう亜也は、潮香や瑞生に「今の仕事をずっと続けてほしい」と願い、弟妹たちに「お姉ちゃん」と立ててくれることを感謝し、皆に「この家族が好き」だという気持ちを伝え、養護学校へ行く決心を固めたことも伝えたのでした。そして学期末の修了式の日。学校の教室にて、亜也はクラスメイトに最後の言葉を贈りました。
知ってる人もいると思いますけど、私の病気は治りません。
治療法が無いみたいです。
いつか、歩くことも、立つことも、話すこともできなくなると、
お医者さんに言われました。この1年で、当たり前にできていたことが、
一つ一つ出来なくなっていきました。
夢の中では、友達としゃべりながら歩いたり、
バスケをしながら、思いきり走ったりできるのに、
目が覚めると、もう自由には動かない身体があるんです。
毎日が変わってしまいました。
転ばないために、どう歩いたらいいのか。
どうすればお弁当を早く食べれるのか。
どうすれば、人の視線を気にしないでいいのか。
一つ一つ頭の中で考えなきゃ、生きていけません。高校に行って、大学に行って、仕事をして・・・。
そんな風に思い描いていた未来が、ゼロになっちゃいました。
生きていく道が見つからなくて、
小さな希望の光も見えなくて、
病気になったせいで、あたしの人生は壊れてしまったって、何度も思いました。
でも・・・、でも、悲しいけどこれが現実です。
どんなに泣いても、病気からは逃げられないし。
過去に戻りたくても、時間は戻せないし。
だったら、自分で、今の自分を、
好きになってあげなくっちゃって、そう思いました。
だって、この身体になってから、初めて気付いたことが、たくさんあるから。そばにいてくれるだけで、家族ってありがたいんだなあとか、
さりげなく支えてくれる、友達の手がすごく暖かかったりとか、
健康な事が、それだけですごく幸せな事とか。
病気になったからって、失うばかりじゃありませんでした。
この身体の私が、私だって。
障害っていう、重荷をしょっている私が、今の私なんだって。
胸を張って生きていこうと思いました。
だから、養護学校に行くことは自分で決めました。皆とは、生きる場所が違うけど、
これからは、自分で選んだ道の中に、一歩一歩光を見つけたいから。
そう笑って言えるようになるまでに、
私には、少なくとも「1リットルの涙」が必要でした。
だからもう私は、この学校を離れても、
何かが終わってしまうなんて絶対に思いません。
みんな! 今まで、親切にしてくれて、ほんとにありがとう!
この間約5分。カメラの長回しでしたが、亜也役の沢尻エリカさんは泣きと笑いの表情を使い分けて、見事に話しきりました! クラスメイトは涙を流して悲しみ、潮香は教室の外でその一部始終を見て微笑んでいました。車椅子に乗り、瑞生に押されて学校を出る亜也たち。そこで遥斗やまりを筆頭にクラスメイトが亜也を追い掛け、全員揃ったところで「3月9日」を合唱!(レミオロメンの曲) これは、かつて合唱コンクールで、亜也が指揮者を務め皆で歌った歌。亜也からのメッセージに、想い出の歌で返してあげた形となりました。
瞳を閉じれば あなたが
まぶたのうらに いることで
どれほど強くなれたでしょう
あなたにとって私も そうでありたい
クラスメイトに見送られながら車に乗って帰る亜也は、笑顔を浮かべていました。そして目を閉じて、「いいじゃないか転んだって。また起き上がればいいんだから。」と心の中で呟いたのでした。そしてこんな字幕が。
転んだついでに空を見上げれば
青い空が今日も
限りなく広がってほほえんでいるあたしは 生きてるんだ
ここでタイトルバックへ。その直後、木藤亜也さんが笑う写真が映し出され、その際にまたも字幕が表示されました。
終業式まであと4日。
みんなが私のために千羽鶴を折ってくれているようだ。
一生懸命折ってくれている姿を
まぶたの裏に焼き付けておこう。
たとて別れても、決して忘れないために。
でも──
「亜也ちゃん、行かないで」と言って欲しかった。「1リットルの涙」より
予想を遥かに上回る、素晴らしい内容でした。本当の結末を待たずして、ここで終わりにしてもある意味で良いと思ったほどに。木藤亜也さんは、私の地元・愛知県の豊橋市出身の方です。「3月9日」の歌詞通り、瞼を閉じれば“あなた”がそこにいるはず・・・。
※「3月9日」を素晴らしい「卒業ソング」として再認識したため、
今冬中には本館サイトの「卒業ソング大特集」に加えたいと思います。
○関連サイト・adsTV-web「卒業ソング大特集」
【 http://homepage1.nifty.com/sodey/adstv/blue/sotsugyo/ 】
○関連記事「1リットルの涙・第1話」
○関連記事「1リットルの涙・第2話」
○関連記事「1リットルの涙・第3話」
○関連記事「1リットルの涙・第4話」
○関連記事「1リットルの涙・第5話」
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○関連記事「1リットルの涙・第7話」
○関連記事「いいとも2005年秋祭・リアルで1リットルの涙」
○関連記事「本田美奈子さん死去~早過ぎる死~」
・原作「1リットルの涙 難病と闘い続ける少女亜也の日記」(木藤亜也)
・書籍「ラストレター『1リットルの涙』亜也の58通の手紙」(木藤亜也)
・書籍「いのちのハードル『1リットルの涙』母の手記」(木藤潮香)
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コメント
トラックバックありがとうございました。
あの唄、とても素敵ですね。
今日から、彼女の2冊目の本「ラストレター」を読み始めました。
友人への手紙の数々からは、ドラマの行方がますます厳しくなることを想像させます。
彼女の力強い生き方を、丁寧に描いて最終回を迎えて欲しいと思います。
また遊びに来てください。
投稿: 黒猫のみわ | 2005.12.04 23時17分
こんにちは。
TB&コメントありがとうございました。
サブタイトルどおり、一杯泣かせてもらいました。
今までの中では一番、良かった回ですね。
最後に歌った歌、合唱コンクールの時には興味を示さなかったんですけど、あらためて聞いて、良い歌だと認識させられました。
投稿: 直美 | 2005.12.04 23時29分
普段は主題歌でさえ、早送り。挿入歌なんて耳に残らないあたしですが
このドラマに関してはどの曲も聞き入ってしまいます・・・
特に今回は挿入歌が流れるタイミングに見事泣かされました・・・
言いにくかった・・・というか、勝手に脳内でレミオメロンと変換してインプットしてた
このカタカナの覚えにくいアーティスト名もしっかり覚えちゃいました、へへ♪
投稿: まこ | 2005.12.04 23時51分
>、ここで終わりにしてもある意味で良いと思ったほどに・・・。
そうですよね。次はいらなかったのでは?私もそう思いました。
亜也の挨拶で、泣いて、また最後の本人の日記で、涙を絞りました。
投稿: mari | 2005.12.04 23時53分
あずさん、こんばんは。
私も文庫本買いました。
原作で、亜也さんは人の役に立ちたい、とずっと考えておられましたが、
彼女の文章はこれからもずっと人に力を与えてくれると思います。
投稿: ちーず | 2005.12.05 00時51分
毎回泣いてしまうのですが,今回はまた号泣しそうな勢いでした。
ほんと今回は最終回にしてもいいくらい,素晴らしい内容でしたよね!
最後にみんなが歌ってくれた3月9日といい,粉雪といい,ドラマを盛り上げる挿入歌も,ラストの主題歌も,ドラマとにあっていて,すごくいい楽曲だと思いました。
亜也さんの言葉も,本当に心に響いてきますね・・・。
投稿: うさこ | 2005.12.05 02時25分
>黒猫のみわさん
レミオロメンの歌が見事にリンクしていましたね。これ以上の使い方は無い、と・・・。「ラストレター」も本屋で良く見かけるけど、原作と合わせて読むと良いんでしょうね。今回で終わっても良いくらいでしたが、新たな道を歩み始めようとしている亜也を見届ける意味で、最終話までしっかり見ていこうと思います。
>直美さん
サブタイトルをタイトルそのままにしただけあって、やはりこの回を大事にしていたようですね。私が泣いたのは、歩道橋の上で亜也と遥斗が語り合ったシーンでした。ラストシーンは、亜也を応援する方が強かったので泣くことは無かったけど、それでも感動はありましたね。私も「3月9日」の良さを再認識しました。
>まこさん
そうですね、このドラマは本編に限らず主題歌や挿入歌にも深い意味が込められているので、どこも見逃せません。今回はレミオロメンの挿入歌の使い方が実に素晴らしく、これまで以上に印象に残りました。もうしっかりインプットできました? 私も彼らの曲をあまり聴いたことがないので、最新のアルバムから聴き始めようと思っています。
>mariさん
今回まででも、連続ドラマとしては成立していますよね。私もそう思いました。でもこれからのストーリーも重要になってくるんでしょうね。最近はタイトルバックでの日記の一節にも、涙を誘われるものがあります。
>ちーずさん
文庫本を買いましたか! 私もこのドラマが終わってから、じっくりと読みたいものです。原作での彼女のメッセージは、人の心を動かす要素が強いですよね。何気無い日記なのに、その力はかなり大きいです。
>うさこさん
まさに“プレ最終話”というような内容でしたね。脚本から演出から、実に見事なものでした。最後にクラスメイトが想い出の曲「3月9日」を歌って亜也を応援するなんて、予想もしていなかったし・・・。亜也のメッセージは、心にずっと抱いていたいものですね。
投稿: ads(あず)@管理人 | 2005.12.05 03時46分
TB・コメントありがとうございました。
今回はかなり辛い内容で、泣けましたねぇ(>_<)
遥斗と今まで通り変わらない存在でいて欲しいのですが、
亜也にとっては大事だからこそ自分といる遥斗の存在がつらくなって
いくみたいですね。。。どうなっていくんでしょうね?!
次回からはブログをもう辞めてしまいますが、
あずさんのブログには時々遊びに来たいと思っていますので、
これからもよろしくお願いします!!
そして、また再開するときはよろしくお願いします!!
投稿: The Sea Monkey | 2005.12.05 11時21分
TBありがとうございました!&お礼が非常に遅くなり申し訳ありません!
今回は確かに最終回でもいいかも・・・というくらい良くできた話でしたね。
涙とともに何とも言えないやるせなさを感じるなか、亜也さんの前向きな姿勢、そして最後の本音にただただ頭が下がる思いでいっぱいでした。
このドラマで使われる歌はどれもいいですね。
投稿: lavish | 2005.12.05 15時36分
TB有難うございます。
このドラマは初回から見ていますが、結構いい話ですよね。
レミオロメンの3月9日もドラマによくあっていると思います。^^
投稿: ろーじー | 2005.12.05 16時33分
>The Sea Monkeyさん
亜也にとっては、遥斗は大事な存在でしたからね。彼のおかげで、どれだけ励まされたことか。いよいよ亜也は今までの学校を離れ、遥斗ともあまり会えなくなるようですが、どうなっていくのでしょうね?
blog閉鎖の件は、非常に残念でした。最近は諸事情による仲間のblog閉鎖が続いていただけに・・・。時々でも良いので、また遊びに来てくださいね。それで再開の目処が立ったら、すぐにでも連絡してください。とりあえずですが、お疲れさまでした!
>lavishさん
そうですね、全体として良い構成でしたよね。最後の亜也のメッセージを聞いて、辛い体験の分だけ強くなったような気がしました。沢尻エリカさんの熱演ぶりも見事で、今回は高く評価したいところです。ストーリーに限らず、主題歌や挿入歌の選曲も良かったと言えますね。
>ろーじーさん
確かに良いドラマだと思います。今回は特に、レミオロメンの曲が上手く使われていたこともあって、素晴らしい内容になりましたね。
投稿: ads(あず)@管理人 | 2005.12.06 03時02分