「TBSテレビ放送50周年ドラマ特別企画」である、「赤い運命」の第3話を見ました。
○TBS「赤い運命」・公式サイト
【 http://www.tbs.co.jp/a-unmei/ 】
10/04~06の3夜連続で放送されるSPドラマです。今回は3夜目・最終話!
○キャスト&スタッフ(公式サイトより)
【キャスト】
島崎直子 : 綾瀬はるか
島崎栄次 : 船越英一郎
吉野信人 : 榎木孝明
吉野いづみ : 佐藤千亜妃
吉野俊介 : 玉木宏
吉野剛造 : 神山繁
大竹由美子 : 紺野美沙子
大竹修三 : 渡辺いっけい
山村美矢子 : 麻生祐未
下条秋子 : 伊藤かずえ 他
【スタッフ】
製作 ホリプロ,TBS
制作 ホリプロ
企画協力 大映テレビ
監修 春日千春,野添和子
原作 佐々木守,長野洋
脚本 関えり香
企画 小田信吾(ホリプロ)
プロデューサー 菅井敦(ホリプロ)
長坂淳子(大映テレビ)
井上竜太(ホリプロ)
演出 国本雅広
○「赤い運命・第3話」あらすじ(公式サイトより)
剛造の告別式に弁護士の美矢子(麻生祐未)に付き添われ直子が顔を出した。「アンタなんか来て欲しくない!」いづみが罵倒するのもつかの間、島崎が現れ直子の頬を張った。刑事たちに式場から連れ出された島崎はその場を去ったが、検察庁の関係者が多い席でこの立ち振る舞いは、控訴審を控えた島崎にとっては情況を不利にするばかりだった。
由美子(紺野美沙子)がたまらず直子を抱きしめ、信人は2度と島崎のもとには戻さないと言い張るが、直子は島崎のことを案じて家に帰ってしまう。島崎は、直子に全てを明かしてしまった信人に対して怒りを爆発させた。
俊介(玉木宏)は島崎が何故父親を殺したのかを知り、直子との関係を修復して行った。その一方で、いづみは俊介に振り向いてもらえない心の隙間を埋めるように、暴走族と付き合うようになっていった。
信人は直子のため、島崎のために控訴審を受けさせようと努力した。島崎は信人が説得すればするほど、直子に辛く当たるようになっていた。「甘ったれれるのもいい加減にしろ!」こらえきれずに放った信人の一言に島崎がキレて殴りかかる。
と、そのとき間一髪でかわした信人の拳が、島崎の頬に飛んだ。
咄嗟のこととはいえ、信人の行動は迂闊だった。
「俺を殴ったことだけは忘れんなよ」島崎は不気味に笑ってその場を去った。
迫り来る控訴審の日程と信人の執着が空回りして、島崎が満州から抱き続けた"国家"に対する復讐心に再び火をつけてしまった。
突然、新聞記者が信人を訪問した。
投書の内容を確認したいと、取り出した中身には島崎への暴力と、娘の取り違えのおかげで島崎が無罪になったという内容が書かれていた。
信人は、暴力の事実を認め辞表を出す旨を記者に伝え、記事掲載の猶予を申し出た。それは、記事が明るみに出ることによって、いづみが取り違えの秘密に気づいてしまうことを防ぐためでもあった。
しかし、いづみの家出によって事態はあらぬ方向へ進んでしまう。信人と俊介が暴走族の中にいる、いづみを探し当てたとき事故が起きてしまう。病院で付き添う信人の時間は流れ、新聞の投書欄に島崎が書いた記事が掲載されてしまう。上司から理由を問われた信人は「訳はあります」とだけ述べ、検事バッジを外し深々と一礼すると検察庁を後にした。復讐の準備を着々と進める島崎と、職を辞して尚、島崎の説得を続ける信人。直子もまた、父の復讐を阻止しようとその理由をさぐりつつ島崎から離れようとはしなかった。
しかし、運命はここでもまた回転する。
いままで姿を現さなかった直子の母親が現れ、またひとつの真実が告げられてしまうこととなる。
伊勢湾台風で消息をたち記憶を失い、大竹と結婚した由美子は?直子に思いを寄せる俊介と島崎の関係は?信人に想いを寄せる美矢子は?そして、直子といづみは?様々な出来事とそれぞれの想いが交差する怒涛のクライマックス!そしてオリジナル版には無かった現代の直子といづみの『赤い運命』とは・・・。
なななんと、ハッピーエンドかっ!!
血を見ることになりそうだ。死を見ることになりそうだ。衝撃の結末になりそうだ。そう思ってみてきたけど、確かにどれも正解。ただ「衝撃の結末」に関しては、「衝撃! 思わぬハッピーエンド!!」となったわけです。
○石坂浩二さんのナレーションによる冒頭の語り
昭和34年9月26日。
この日潮岬西方より紀伊半島に上陸した台風15号は
各地に甚大な被害をもたらした。
すなわち、死者・行方不明5104名、
負傷者44004名、被災者概数153万。
いわゆる「伊勢湾台風」がこれである。
その日、生後間もない幼子を抱えた若き母親が、
嵐の中で消息を絶った。
それはまさに「運命の日」であった。
実の父親が島崎ではなく信人だということを知った直子。でも、あえて島崎を父親として慕うことにしたんですね。島崎が直子を置いて去ろうとした時も、直子はやはり島崎についていくと伝え、島崎はあまりの愛らしさに直子にすがりつくシーンがありました。実際直子という人物は、優しい娘であり本当に強い娘ですね。私はあの“血のつながらない親子の愛”に感動してしまったなあ。そして直子は、実の両親である信人と由美子とも少しだけ“血のつながった親子のひと時”を過ごしました。しかし、島崎についていくと決めた直子には、両親はもう何も言えず。それに引き換え、いづみはどうだ? “♪パラリラパラリラ~”の暴走族たちとつるんだり、相変わらず“お兄さま命!”で動いたりで、良いこと無しじゃないか! と思ったんだけど、信人の会話を盗み聞きして「彼の子供ではない」という事実を知った辺りからは同情心も芽生えて、その悲しみの気持ちが分かるような気がしたなあ。そりゃあとめどなく涙が溢れる気持ちも分かった。アパートの屋上から飛び降りたくなる気持ちも分かった、分かったさ。それは良いんだけど、何でいづみを助けようとした俊介が誤って落下してしまうんだ?(笑) 信人は落下寸前のいづみを腕一本で掴んで助けたよ? そうそう、島崎をグーで殴った時も思ったけど、信人は検事の割に結構タフな人だったよね・・・。
今回突然現れたいづみの母(岡まゆみ)。また厄介なことを引き起こすんじゃないかと思われたけど、まあ許せる範囲でした(基準は何って?)。それよりも、名古屋から勝手に吉野家へ向かった由美子を追いかけてきた、修三の方が怖かったなあ。彼もまた厄介なことを引き起こすに違いないと思われたけど、由美子に記入済みの離婚届を叩きつけて吉野家の外へ飛び出せば、その直後に交通事故に遭って間も無く他界。病室のベッドで由美子と会話していた時、死亡フラグの定番セリフを言ったもんだから、「嗚呼、湯布院・・・(『風のハルカ』ネタ)」と悲しい思いにもなったり。彼の怒りの衝動も、今回はさすがに分かる気がしたなあ。それから、美矢子がどうも一枚噛んでるんじゃないかと疑っていたけど、全くのシロでしたね、ごめんなさい。秋子は、最後まで良い人でした。まあ、園長が残した2人の少女の貴重な証拠を、すり替わったまま鵜呑みにしてしまった仕方の無いミスはあったけどね。ところで修三の法要が行われた際、出席した信人がそこを後にしようとする時に語られた石坂浩二さんのナレーションが、この物語における「運命のいたずら」の切なさを強調していたかのように思えました・・・。
○石坂浩二さんのナレーションによる中盤の語り
思えば全てはここから始まっていたのだ。
あの日。あの時。
この門を別々に出ていった2人の父と2人の娘。
その小さな偶然が、なんと多くの人々を
大きな運命の渦に巻き込んでいったことであろうか。
直子を一目見たい。立ち去り難くたたずむ信人であった。
最大の謎だった「島崎は何故俊介の父親を殺したのか?」の真相は、「満州への出兵時に自分らを見捨てて帰国した者たちへの逆恨み」でした。「殺されても仕方が無い」と言い続け、国家そのものを憎み続けた島崎の心は、大きなことは言えないけど客観的ながら共感しました。そして最後、河野總一郎(筒井康隆)の時局講演会会場の舞台袖に現れた島崎は、復讐のため刃物を向けながら河野に向かって突進! そこへ慌てて駆けつけた直子が立ちはだかり、刃物は直子の右腹部へ! しかし、直子は一命を取り留めました。良かったよ、“これ”で・・・。そんなこともあって、直子といづみはこれにて一応仲直り。その後、長く延期された(引っ張った)「錦堀傷害致死事件」の控訴審では、直子が島崎の弁護を買って出て、「父(島崎)に刺されることで、彼が無にした“戦後の31数年”を取り戻させ、そのために“復讐”という犯罪を止めさせたかった」と話しました。島崎は「悪かった。許してくれ。」と言って容疑を認め、第一審では河野を狙っているのがバレないように偽証していたことも告白しました。そして信人は、「国家の手による、個人に対する大きな犯罪の結果」と結び、島崎は「錦掘事件の傷害致死」と「河野襲撃未遂事件」で、後日「懲役7年」の実刑に処せられました・・・。
その後・・・。信人は弁護士に。俊介は検事に。直子に戻ったいづみは実母の店を手伝い、いづみに戻った直子は「白百合園」で子供たちの養育にあたりました。そして島崎は「贖罪(しょくざい)の念、顕著なり」と認められて5年後・昭和56年に繰り上げ出所し、彼を暖かく迎え入れた4人と共に、俊介の発案で満州旅行を決行。「全ての始まりは満州にあり」。それを実感するためでした。満州の大地を指差す島崎と、それを見る4人。信人は「一期一会」と地に刻み、それぞれの一期一会を心から噛みしめました。月日が流れて平成16年10月6日、島崎と信人は同じ日に死去。ここで、第1話の冒頭でも登場した「直子といづみが墓前で手を合わせるシーン」につなげてきました。そのシーンは、放送日と同じ平成17年10月6日。つまり、「両父親の一周忌」だったというわけですね。墓石には両人の名前と「一期一会」という文字が刻まれていました。直子といづみにとっては2人とも父親だったから、一つの墓に埋葬したのでしょうか? この結末が、「オリジナル版には無かった現代の直子といづみの『赤い運命』」だったのでしょうか? 「一期一会」・・・山口百恵さんの名曲でもある良い言葉が最後に登場しましたね。私の父親が百恵さんのファンで、その曲が入ったカセットテープを持っていたから知っていました。私もここで、皆さんとの「一期一会」を大切にしていきたい・・・。
○石坂浩二さんのナレーションによる最後の語り
父たちの一周忌である今日。
数奇な運命に翻弄された娘2人は、
父たちが半生を費やして戦った国家の犯罪を、
終生忘れずにいることを墓前に誓った。
戦後60年、彼女たちの戦いは今日から始まる。
長編ドラマだった「過去版」を凝縮してオリジナル要素も交えた「現代版」は、「展開が速過ぎた」とか「無理があった」等の意見も多かったとは思うけど、私としては良いドラマだったと思いました! 特に、島崎という難しい役柄を見事に熱演したふなこっさん(船越英一郎)。私はあなたを役者として尊敬します!

「飛べない豚はただの豚だ(『紅の豚』より)」。そう言っているような気もする(笑)。
さて、ここで気になるのはやっぱり「過去版のキャスト」です。
○「赤い運命」・現代版と過去版のキャスト比較
【キャスト】
島崎直子 : 綾瀬はるか → 山口百恵
島崎栄次 : 船越英一郎 → 三國連太郎
吉野信人 : 榎木孝明 → 宇津井健
吉野いづみ : 佐藤千亜妃 → 秋野暢子
吉野俊介 : 玉木宏 → 南条豊
吉野剛造 : 神山繁 → 志村喬
大竹由美子 : 紺野美沙子 → 岸田今日子
大竹修三 : 渡辺いっけい → 前田吟
山村美矢子 : 麻生祐未 → 有馬稲子
下条秋子 : 伊藤かずえ→ 木内みどり 他
一部全く知らない方もいますが、こんなキャスティングだったんですね~。
・綾瀬はるかさんは、「オリジナル(過去版)を見ると意識してしまうから、
あえて見なかった」といったコメントを某誌で語っていました。
綾瀬さんにとっては、山口百恵さんはホリプロの大先輩でもありますね。
・島崎役は三國さんですか! かなり粗野で不気味だったみたい。
その役を船越さんに任せたのは大正解! 少なくとも私の中では大ヒット!
彼のおかげで大注目できました。ああ、ふなこっさ~~~ん!
・秋野さんによるいづみの意地悪さはかなりすごかったらしく、
当時は現実でも叩かれて相当苦労なされたようで・・・。
それを知ると、佐藤さんによるいづみはそうでもなかったなあ。
・修三に関しては、現代版の渡辺いっけいさんの方が合ってるんじゃない?
いや、過去版は知らないけど、怪しい雰囲気はかなり良かった、と。
憎んだりもしたけれど、私は平気です。「魔女の宅急便」風に(笑)。
・「赤い」シリーズに欠かせない、山口百恵さんの夫である三浦友和さんが、
俊介役じゃなかったことにびっくり! なんと、そうでしたか!
玉木さんが登場した時、「友和さん来た!」って思っていたけどさ!
※「あるがまま・・・」さんの記事「赤い運命 旧キャスト」を、
参考にさせていただきました。特に過去版のエピソード部分です。
管理人のまこさん、グッジョブ!&サンキュー!
私はかなり過去版を見たくなりました! このリメイクシリーズが「過去版のPR活動」のようにも思えるのは私だけでしょうか? そんなわけで、「赤い疑惑」、「赤い運命」と続いてきたこのリメイクシリーズですが、年内にはそのラストを飾る「赤い衝撃」が放送される予定です。主演は深田恭子さんで、もちろんホリプロ所属です。また楽しませていただきましょう!
○関連記事「赤い運命・第1話」
○関連記事「赤い運命・第2話」
●現代版

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主題歌「赤い運命」(大竹佑季・「tell me how」のc/wとして収録)

「赤い疑惑」DVD-BOX/書籍「赤い疑惑」(石松愛弘, 関えり香, 浅野美和子)
●過去版

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