« 電車男・第9話 | トップページ | 女王の教室・第7~9話 »

2005.09.05

ドラゴン桜・第9話

今回放送分の裏番組として、フジテレビ系でドラマ「積木くずし真相~あの家族、その後の悲劇~」が2夜連続で放送されました。民放の連続ドラマの最高視聴率記録を維持し続けている「不朽の名作」の続編だけあって、今回ばかりはそちらを優先してリアルタイムで見ました。放送規制が厳しい現在、不良少女の荒れぶりをどこまで描写するかも見ものだったけど、なかなか良かったです。そして強引にこのドラマへ話を移すわけですけど、昔の不良と現代の不良はまず格好が全然違いますね。昔の不良の例が桜木だとすれば、現代の不良の例は龍山高校の落ちこぼれ生徒になるわけで。それはそうと、「積木くずし真相」の方で不良少女の部屋にあった「全国制覇」という垂れ幕を見た時は、「ああ、特進クラスの生徒たちの心意気に通ずるものがあるなあ」と思いましたね。「本気」と書いて「マジ」でっ!(笑)

○ドラマ視聴率は本館サイトの該当コーナーから!
○TBS系「ドラゴン桜」
第9話「信じろ!成績は必ず上がる」

勇介(山下智久)は成績が伸びないことに悩んでいた。一方、直美(長澤まさみ)の母・悠子(美保純)が倒れ、病院へ運ばれる。そんな中、桜木(阿部寛)は2学期に入り、生徒の家庭環境が重要になると考え、「受験生を持つ家庭の心得」を講義するため、真々子(ままこ・長谷川京子)に保護者を呼び出させる。桜木は集まった保護者に各家庭の教育方針を尋ねる。

ストーリーは、現実とリンクするかのように二学期へ。今回もまた良い話が出ました。大きく3つに絞って、一つ一つじっくり感想を書いていきます。

1. 「行間を読む・正しく読む・なぜなにの心」
国語担当の講師・芥山龍三郎(寺田農)が、「問題を良く読むことの重要さ」を生徒たちへ教えるために「行間を読め」と伝えました。私は小説等を読む時には意識するようにしているけど、文字で書かれていること以外の要素(=行間)を読み取るのは大事ですよね。例えば起こる物事の背景だったりするけど、その解釈の違いによる損得は大きいということです。

また芥山講師は、課外授業みたく皆で外へ出た時も、「日本語の他に英語や中国語やハングルで書かれた表示板を見て何を思うか?」といった質問を出しつつ、4ヶ国語で書かれていることの背景を読み取ることで「正しく読め」と伝えました。例えば中国語やハングルの記載が増えたことから、その言語圏の人が裕福になって日本へ訪れる機会が多くなった、と推測できるんですね。普段何気無く見ている表示板でさえ、いくつものストーリーが詰まっているものです。ちなみに東海地区在住の私だったら、質問に対して迷わず「『愛・地球博』対策に決まってるじゃん!」と答えていたかも(笑)。それから芥山講師は、常に「何故そうなのか?」と疑問に思いそれを追求する「何故・何(なぜなに)の心」についても伝えました。お笑い芸人のテツ&トモが「なんでだろう~?」というネタで大ブレイクしたけど、彼らの精神こそがその典型例で、常に謎を追求する心を教えてくれた。しかし、結論までは言わずに放置してすぐに次の謎を追求することも教えてくれた。ついでに、そのネタだけじゃ世間に飽きられて人気が持たないことも教えてくれた・・・。

2. 「受験生を持つ家庭の心得」
特進クラスの生徒の親たちを集めて、こんな講義が行われました。ただし、矢島勇介の母親は就職の面接のため、水野直美の母親は病で倒れたため欠席。桜木は親たちが口々に言う自分なりの教育方針を聞きました。それは「面倒見切れず」だったり「放任主義」だったりいろいろだったけど、その全てを聞いた桜木が「なるほど、思った通りの0点ぶりですね。全員0点です!」と発言! 申し訳無いけど、そのセリフと言い方で笑えてしまいました(苦笑)。

子供は7歳くらいまでは直感的思考段階
7歳から11歳くらいまでにかけて論理的思考が身につきはじめる

「子供はそれぞれのタイミングで無理せず成長すれば良い」という桜木的理論。それを怠って執拗に我が子を教育するのは「バカ」らしい・・・。良かれと思って行う行為が、逆に仇にあることもあるんですね。褒め過ぎてもダメ、叱り過ぎてもダメ、じゃあどうする? 「繰り返す」なのです。「子供の話をきちんと聞く。そして子供の言葉を繰り返す。」なのです。話を繰り返すことで、子供に安心感や信頼感を与えるものなのです。これらも全て桜木的理論。以前模擬試験の際に「己との対話」について生徒たちへ話したことがあったけど、家庭内では「リアルな対話」が必要なんですね。子供の成長には当然親にも責任の一端があるわけで、そういった精神の下で接してほしいという「学問外からの改革」が行われました。これらの理論、皆さん(子を持つ親でない人も)は素直に納得できますか?

3. 「東大合格の素質」
私立高校の合同説明会にて、龍山高校は桜木や真々子の他、特進クラス生の矢島くんや水野さんが同席しました。大勢のエキストラを動員してのロケは大変だっただろうなあ。そこでバンドを組んでいるツッパった中学生と頑固で口うるさそうな父親が、桜木の口車に乗せられて興味本位で説明を聞くことに。そこで桜木が「東大へ入れる素質がある」と言い、父親が「どこにそんな素質がある?」と理由を聞くと、桜木は自信有り気に「息子さんの頭が、見るからに空っぽそうだからです」と発言! おいおい、そりゃ無いだろうよ~! って思ったけど、実は「最大の褒め言葉」でもありました。「空っぽ」だからこそ、今からでもいろんなものを素直に得られるということ。つまり、知識を溜め込むキャパが充分にあると言いたいみたいですね。ここまでだと「物は言い様」みたいな感じもするけど、桜木は続けて「何かに熱中してきた人間は、努力する資質が勝手に育まれている。そういう人間が集中すると、ものすごい力を発揮する」と話しました。これは、何となく分かる気がするなあ。桜木の説得に近いこれらの発言によって、頑固な父親が激怒しまくる“パフォーマンス”も手伝って、大勢の参加者が龍山高校のブースへ駆け寄りました。第8話で矢島くんも言っていたけど、桜木は相変わらず犯罪的に口が上手いな(笑)。でも、いいトコついてるな。

ちょっと論点が狂うかもしれないけど、私の持論を。小学生時代、国語や算数のテストは点が悪かったけど、自動車のことに関しては大人顔負けの知識を持つ友達がいました。彼みたいな人がその道を専門に勉強し続ければ、将来素晴らしいエンジニアになるかもしれない。いや、実は現在そうなっているかもしれない。義務教育である小中学校での授業って、存在する札を揃ったまま配るトランプのようなイメージがあって、どれを捨て札にするかの選択を長いこと無意味にさせられている感があります。ゲームを指揮するディーラー(=教師)が札配り(=義務的、いや、事務的指導)をして終わるだけで、見ものとなる賭け勝負の対象は「受験」であるような。生徒個人の才能を見極めて進むべき道へ導いてやるのが、将来を踏まえた本来あるべき「教育」であり、賭け勝負として見どころを生む時ではないか? 現在の日本は学歴社会である反面、受験で落ちぶれた人・ついていけなくなった人が溢れ返って、フリーターやニートが増加する傾向になるのではないか? そんな風に思います。数年前に数々の職業を子供向けに紹介した村上龍さんの書籍「13歳のハローワーク」が売れまくったけど、書籍の内容はどうあれ「13歳」という設定は良いと思いましたね。専門学習における「飛び級制度」も積極的に導入してほしいとも思ったり・・・。

といったところで、今回はここまで。私も自分なりに「物事の背景」を見据えていたりします。それが同意か否かは別として・・・。勉強に限らず「何かをやること」には「限界点(limit)」というのが付き物で、矢島くんは近頃学力が伸びずに悩んでいたけど、桜木による「マイペース精神」の説得で回復に向かいそうですね。でも今度は、母親が倒れたこともあって「東大受験辞めます」と涙ながらに語った水野さんのことが心配です。「全員揃って東大合格」であってほしいけど・・・。

○関連記事「ドラゴン桜・第1~3話」
○関連記事「ドラゴン桜・第4&5話」
○関連記事「ドラゴン桜・第6話」
○関連記事「ドラゴン桜・第6話(番外編)“英語って楽しい!”」
○関連記事「ドラゴン桜・第7話」
○関連記事「ドラゴン桜・第8話」
○関連記事『ドラゴン桜・第8話(番外編)“melody.の主題歌「realize」に注目!”』

●ドラマ
「realize」
主題歌「realize」(melody.)

●原作コミックス&関連書籍
「ドラゴン桜 (1)」 「ドラゴン桜」公式ガイドブック 「ドラゴン桜 東大合格をつかむ言葉161」
・原作コミックス「ドラゴン桜」(三田紀房)
・書籍「ドラゴン桜」公式ガイドブック(三田紀房・モーニング編集部)
・書籍「ドラゴン桜 東大合格をつかむ言葉161」

|

« 電車男・第9話 | トップページ | 女王の教室・第7~9話 »

コメント

夏休みが終わったので、ゆっくりあずさんとこ読めます(^_^;)
だってあずさんのコメントは、ながら読みや斜め読み(笑)出来ませんから~。
よくもまぁこんなにしっかり書ける事!(毎度感心)

「ドラゴン桜」は子供にも見せたいドラマだけど、私も勉強になってイイドラマ♪
これで東大に受かったら…なんて思いながらも「学ぶ」楽しさは学べるかも(^_^;)
>「子供の話をきちんと聞く。そして子供の言葉を繰り返す。」
繰り返しはしないけど、ちゃんと聞く姿勢は持つようにしてますけどね。
私は、これらの理論(いつもの桜木的理論にも)、納得してしまってますわぁ(^_^;)
でも現実、「良い子に育つ」=「お勉強が出来る」じゃないからなぁ~(笑)
そこがまだまだ学歴の世の中で生きて行くのは困難でしょうか?
お勉強が出来て人殺しして…なんて困ります!
『女王の教室』の「どうして人を殺しちゃいけないんですか?」みたいにね。
そこへ辿り着くと”普通が一番”なんて思いながら、じゃぁ普通って何?にぶち当たるσ(^_^;

投稿: マナ | 2005.09.12 16時31分

マナさん、コメントありがとうございました! ながら読みや斜め読みは、受験のマル秘テクニックですぞ~!(笑) この第9話のレビューは、私個人の意見が相当量詰まっているので、あまり大っぴらにしませんでした。理解されることも少ないと思ったのでね。でも、自分なりに結構良いこと書いてます。

「ドラゴン桜」は、受験生でなくても勉強になるというかタメになるドラマだと思いますね。子供の話をちゃんと聞く姿勢ができてるなんて、良いじゃない? 出たよ、出ましたよ、ここで「女王の教室」が! やっぱりこの2つのドラマはテーマが重なるんだよなあ。何のために勉強をするのか? まあ一応結論付けてはいたけど、実際はかなりの難問だったり。マナさんが「?ループ」に陥るようにね。

投稿: ads(あず)@管理人 | 2005.09.13 02時45分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ドラゴン桜・第9話:

« 電車男・第9話 | トップページ | 女王の教室・第7~9話 »