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2005.09.30

映画「世界の中心で、愛をさけぶ」

“セカチュー”こと「世界の中心で、愛をさけぶ」の映画版が、昨日9/29にTBS系で放送されました。これが記念すべき地上波初放送! 原作小説に基づいて昨年2004年5月に公開されたこの映画。7月には早くもドラマ化されました。私はドラマ版先行派だけど、“ドラマ→映画→原作小説”と本来の発表の逆順で楽しむことに決めて、実はドラマ版終了後の年末辺りに映画のレンタル版を見ました。「いつか映画版の感想を書こう」と思っていたけど、「地上波で放送されてから」と決めて待っていたら半年以上も経過していたみたい(笑)。私的使用目的で既に録画してあるのに、「地上波初放送」に惹かれてついついDVDレコーダーに録画しながら、ほぼリアルタイムで見ました。好きなんですよ、この作品自体が・・・。

○goo 映画・映画版「世界の中心で、愛をさけぶ」のあらすじ
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD5008/story.html
○Yahoo! JAPAN・映画版「世界の中心で、愛をさけぶ」
http://aiosakebu.yahoo.co.jp/

・原作 片山恭一
・出演
大沢たかお(松本朔太郎) 柴咲コウ(藤村律子)
森山未來(松本朔太郎・高校時代) 長澤まさみ(広瀬亜紀)
山崎努(重蔵) 他(順不同)

○映画版「世界の中心で、愛をさけぶ」・あらすじ(「Yahoo! JAPAN」より)

映画版「世界の中心で、愛をさけぶ」では、小説ではほとんど語られることのなかった、成長し大人になった主人公・朔太郎のストーリーを大幅に追加。映画のオリジナル部分である「現在の愛との対峙(たいじ)」と原作小説にある「過去のアキとの甘くせつない純愛」が織り成すアンサンブル・ストーリーとして再構築されている。

物語は、大人になった朔太郎(大沢たかお)の婚約者・律子(柴咲コウ)が失跡するところから始まる。律子の行き先が四国だと知り、そのあとを追う朔太郎だったが、そこは初恋の相手・アキ(長澤まさみ)との思い出が眠る場所でもあり、朔太郎はしだいにその思い出の中に迷い込んでしまう……。

サク(高校時代の朔太郎:森山未來)とアキの初恋は甘く淡いものだった――二人は一緒にラジオ番組に投稿したり、ウォークマンで声の交換日記のやりとりをしたり、無人島への一泊旅行をしたりと、二人にとってはすべての一瞬が永遠のように感じられた。

ところがアキが不治の病であることが発覚し、運命が急転する。懸命に生きようとするアキだが、直面する現実は避けられない。一方、サクは、アキのあこがれだったオーストラリアの神聖なる土地・ウルルにアキを連れていく計画を思いつく。しかし病院を抜け出した二人は、空港に向かうも、アキは飛行機に乗ることなくロビーで倒れてしまう……。

――現在。思い出の迷宮をさまよう朔太郎と律子は、やがて、隠れていた「真実」を手繰り寄せる。そして、かつて伝えられることのなかったアキの最期のメッセージが、十数年の時間を超えて朔太郎のもとへ届くこととなる……。

愛する人の死。未来を紡ぐ愛――
愛する人の「死」と生きていくために渇望する「愛」が織りなす、純愛タペストリーの誕生。

高校時代、「声の交換日記」を楽しんでいたサクとアキ。そのアキが入院した後、アキに頼まれて高校のサクの下駄箱へカセットテープを届けていたのは、同じ病院で入院していた女性の娘で、アキとそこで仲良しになった少女。なんとその少女が律子だった! その律子が事実上最後となるカセットテープを届ける際に交通事故に遭ってしまい、サクへ渡せないでいた・・・。大人になったサクと律子は、当時一度だけ会ったことのある事実も知らぬまま“運命の再会”。そして律子が現代になってそのカセットテープを部屋で発見し、「自分のせいで“あの二人”の関係を壊してしまった」と責めながら、17年ぶりに香川県にある高校のサクの下駄箱へ向かった・・・。そして二人は、当時アキが行きたがっていた“世界の中心”オーストラリア・ウルルへ向かい、彼女の最後の望み通りにそこで遺灰をまいた。

(オーストラリア・ウルルの丘陵にて)

サク「ここに来て、“世界の中心”がどこにあるか分かった気がする。」

(律子が小瓶を開け、中に入っていたアキの遺灰をサクの両手へ乗せた。
 サクと律子が見守る中、遺灰は風に舞って瞬く間に消え去った。
 それは、アキが得意だった手品のように・・・。)

律子「手品みたい」
サク「アキらしいな」

(エンディング)

サクとアキの恋に律子が関係していたという意外な事実! それが判明する辺りで驚かされ、またそこに面白みがあると思います。高校時代のサクとアキがウルルへ向かおうとした際、空港のロビーでアキが倒れてしまい、サクが抱きかかえながら「助けてください!」と叫ぶ名シーンはあまりにも有名ですね。その後サクはアキがいる病院へお見舞いに行くんだけど、無菌室のドアをそっと開けると、そこには白血病の影響で髪の毛が全て抜け落ちてしまったアキが! このシーンも本当に驚きました。そして最後は、ウルルの広大な景色と共にエンディング。「感動の名作」と言われるのが分かるような気がします・・・。ただこの映画版の主人公は、サクというよりかはサクとアキを見てきたオリジナルキャラの律子のような気がします。

さて私的な視点で、「原作が同じであっても、似て非なるもの」と思っている映画版とドラマ版の二つを比較してみます。映画版はとにかく展開が速く、サクとアキが楽しく「声の交換日記」を楽しんでいる時間も束の間で、すぐに悲しみのストーリーへ切り替わっていくのが特徴です。それに対してドラマ版は、オリジナルストーリーを含めつつ全11話の中で二人でのシーンが存分に描かれ、その後ゆっくりと悲しみのストーリーへ向かうのが特徴です。そしてこれらの作品間において、異なる点がいくつもあることも大きな特徴です。

○映画版とドラマ版の異なる点(主なもののみ紹介)

・現代のサクの恋人
 映画版 :過去・サク(森山未來)&アキ(長澤まさみ)
      現代・サク(大沢たかお)&律子(柴咲コウ)
 ドラマ版:過去・サク(山田孝之)&アキ(綾瀬はるか)
      現代・サク(緒形直人)&明希(桜井幸子)

・アキのフルネームの表記
 映画版 :広瀬亜紀(長澤まさみ)
 ドラマ版:廣瀬亜紀(綾瀬はるか)

・写真館の老人
 映画版 :重蔵・重じい(山崎努)
 ドラマ版:松本謙太郎(仲代達矢)
 (重蔵は“サクと親しい老人”。謙太郎は“サクの実の祖父”。)

・サクとウルルの関係
 映画版 :律子と一緒にアキの遺灰をまきに行った。
 ドラマ版:高校の修学旅行で初めて行き、後にアキの両親と行った。

・アキとウルルの関係
 映画版 :夢島で見つけたカメラに収められていた写真を見て行きたくなった。
 ドラマ版:修学旅行で行けず、サクが撮ってきた写真を見て行きたくなった。

「どちらが良いか?」という“禁断の質問”にあえて答えると、私としてはドラマ版の方が好きでした。映画版に比べて、サクとアキが普通に楽しく過ごしていた時間を長く感じられたからです。それはストーリーの総時間も当然関係するわけですが。逆に言えば、この作品の映像化にあたっては映画版の約2時間でなく、ドラマ版の総時間以下、あるいは数回に渡るSPという形が良かったということです。さらに言えば、ドラマ版は映画版での設定をいくつか受け継ぎながら、「良くぞあそこまで感動的に仕上げた」ということで強く賞賛しています。サクやアキの他に家族や仲間や先生にまでスポットが当てられたことや、名曲「朔と亜紀」を始めとした心に残るBGMが多かった面でも、ドラマ版の方が一歩上だと思っているんですね。こういった評価の違いについての逆パターンの例は、同じく原作小説から映画版とドラマ版が生まれて話題になった「いま、会いにゆきます」。この作品も終盤で意外なエピソードが明かされるけど、それまでの表のエピソードを忘れないうちに裏のエピソードを知れるところから、約2時間に収めた映画版の方が良かったと思いますね・・・。こうして「世界の中心で、愛をさけぶ」の映画版とドラマ版の比較はしたけど、それは「どちらも見て強く感動した」という事実があってこそここで言えた意見だと思ってください。皆さんはいかがだったでしょうか?

それにしても、「声の交換日記」って、良いものですよね。その媒体がウォークマン(商標名)になるわけだけど、ラジカセを前にして雑音が入りつつも懸命に声を吹き込む姿を見て、何とも言えない青春の初々しさみたいなものを感じました。今やケータイやネットを使ったリアルタイムのやりとり(会話&メール)が実現できるわけで。媒体がアナログからデジタルに代わっていき、便利になり過ぎていく世の中を逆に惜しむ気持ちにもなり、全くもって妙な感じです・・・。さて、“ドラマ→映画→原作小説”の楽しみ方で、ようやく「映画」まで来ました。実はいまだに原作小説を読んでいません(苦笑)。数々のサイトで紹介されている書評を読むと、意外にも不満の声が多くて「読んで自分もそうなったらどうしよう?」という不安な気持ちがあるからで・・・。とは言っても、やっぱり一度は読んでおきたいものです。できれば、“世界の中心”で寝転がりながら・・・。

○関連カテゴリ「世界の中心で、愛をさけぶ」
http://adstv-web.cocolog-nifty.com/studio/sekai-ai/
○本館サイト「adsTV-web」内・「世界の中心で、愛をさけぶ」ファンサイト
http://homepage1.nifty.com/sodey/adstv/orange/sekai-ai/

「指先の花―映画『世界の中心で、愛をさけぶ』律子の物語」
・「指先の花―映画『世界の中心で、愛をさけぶ』律子の物語」

・主題歌「瞳をとじて」(平井堅)
・「世界の中心で、愛をさけぶ」オリジナル・サウンドトラック完全版

ドラマ DVD-BOX 映画 DVD 原作小説
・ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」DVD-BOX
・映画「世界の中心で、愛をさけぶ」DVD
・原作小説「世界の中心で、愛をさけぶ」(片山恭一)

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コメント

あずさん、こんにちは。
私も映画版より、テレビドラマ版の方が、いいと思います。
サクとアキの気持ちのやりとりがよく伝わってきます。
私もテレビドラマ版の方を先に見てしまったのですが、ドラマ版を見てから映画版を
見てしまうと、その気持ちの強さとか、そこまでに至る経過とかが全然伝わってこなくて、
私は映画版では感動出来ませんでした・・・。

投稿: メロディ | 2005.10.02 21時06分

あずさんこんばんは
私もドラマの方がいいかなと思いました。
ドラマの方が、放送時間が長いからか、時間の経過や、気持ちの移りかわりが
とても丁寧なんですよね。
映画は、やはり流れが速いな・・という印象でした。
でも、律子が、以前亜紀とサクの橋渡しをしていたという展開には
驚きました。

投稿: まりこ | 2005.10.02 21時42分

あずさん、こんばんは。
私の場合、ドラマ版をあまりちゃんと見ていなかったのが悔やまれます。
映画版に関しては、ドラマにない律子という設定が良かった。
この作品、映画館で見ていたらきっと私号泣してました。(笑)

先ほどTBSで『オレンジデイズ』の映像が流れました。
あの時も忙しくてドラマをあまり一生懸命見ておらず、
でも先ほどいくつかのシーンを見て、もう一度じっくりと見たくなりました。

投稿: ちーず | 2005.10.03 00時55分

>メロディさん

こんにちは! やっぱり「ドラマ版先行」という大きな理由はあっても、そのドラマ版の方が良いですよね? サクとアキが先のことを知ることなく楽しんでいた時間が長いように感じて、やがて悲しみの展開になっていっても、以前の印象が強いのもあって深く感動できました。毎回現代と過去のシーンが交錯していてもね! 映画版はあまりに駆け足だった。まるで高校時代のサクが海の見える所でひたすら走るように・・・。ただ、オリジナルキャラの律子を上手く原作の世界の枠に入れたとは思いましたよ。

>まりこさん

やはりドラマ版の方が良かったみたいですね? そうなんですよ、ドラマ版は放送時間が多い分、おっしゃる通りの要素をじっくりと入れて、丁寧に描いていたんですよね・・・。もちろん、映画版のサクとアキも楽しい時間をたくさん過ごしたんだろうけど、「声の交換日記」ばかりしていたような印象も正直ありました。ラストの意外な展開には、私も驚きましたけどね。その点ドラマ版は、サクと恩師の粋な計らいで「アキの公式記録が残らないレース」が行われたり、「アジサイの丘」や「ロミオとジュリエット」を多くの回で関連付けたり、またサクと祖父・謙太郎の涙のエピソードが描かれたりで、本当に良かった!

>ちーずさん

ドラマ版は、私の他にも多くの人が名作だと思っているはずです。機会があれば、是非見てほしいですね。映画版も、律子の位置付けは良かったですよね。「えっ! あの少女が?」と気付いた時点で、それまでにあった伏線が一気に解かれるところに、面白みがあったと思います。号泣していたかも? うん、そうかもしれないですね・・・。私もTBS特番は見ましたよ。かなり面白かった! 特に、ドラマとドリフ(笑)。「オレンジデイズ」の名シーンが出た時は、私もファンサイトを持っているだけあって、かなり喜びかなり感動しました。一部だけではあったけど、良いシーンをつまんでくれたんですよね。これも機会があれば見てほしいと思います。その上でファンサイトの方を見てもらえると、面白さが数倍になるはずです! なんか、推奨と宣伝だけみたいになってしまったかな?(笑)

投稿: ads(あず)@管理人 | 2005.10.03 03時10分

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