1998年秋に映画化されて話題を呼んだ小説が、このたびフジテレビ系でドラマ化されました。ドラマのスタート前にテレビ雑誌でキャスト一覧を見た時、「こ、このキャスト陣で行くのか?」と少しだけ不安視してしまったんだけど・・・。「見て驚き、そして納得」。私に何が起こったかはこの後で。さあこのドラマのレビューも、がんばっていきまっしょい!(しょい!)
○ドラマ視聴率は本館サイトの該当コーナーから!
○フジテレビ系「がんばっていきまっしょい」
第1話「漕ぎたい」
’98年に映画化された、ボートに情熱を燃やす高校生の恋や友情を描いた敷村良子原作の青春ドラマ。一本気な性格の悦子(鈴木杏)はボートを始める気で高校に入学。新入生・三郎(内博貴)に情熱を語る。だが、学校には女子ボート部がなかった。悦子が幼なじみ・浩之(錦戸亮)のいる男子部に入ると、部員は悦子がマネジャー志望と勘違いする。
第2話「涙の青い海」
4人の女子部員を集めた悦子(鈴木杏)らは練習を開始。早々に退部したいと漏らす運動の苦手な敦子(佐津川愛美)を、悦子は懸命に引き留める。一方、新人戦出場のためにはあと一人部員が必要だと顧問の福田(相島一之)に言われていた悦子は、新入生の多恵子(岩佐真悠子)を勧誘。利絵(相武紗季)は多恵子が入部するなら辞めると言いだす。
第3話「必勝新人戦」
部員がそろい女子部も新人戦に出場することになった。新人戦が終わると敦子(佐津川愛美)が部活を辞めると聞き、悦子(鈴木杏)たちは決勝進出を誓う。そんな中、コーチ・大野(池内博之)は悦子がほかの部員に比べ、筋力や持久力が劣っていると指摘。特訓の特別メニューを課す。だが、体力が追いつかない悦子はメニューをこなすフリをする。
※最初に言っておきますが、原作小説や映画は今日現在「未見状態」です。
実は私、このドラマの楽しみ方を悟ったんです。「そうかなるほど、『ウォーターボーイズ』の時みたいに楽しめば良いんだ!」と。「ド素人チームから始まって、夢を掴むまでとことん突き進む青春ストーリー。そうだ、そうだったんだ!」と・・・。生徒たちについて、主役と数人くらいしかあまりドラマで見かけたことが無かったけど、そのパターンは「ウォーターボーイズ」シリーズ(映画・ドラマ)でも同じでした。だからこそ逆に新鮮に思えて、新人を暖かく応援したくなるような気持ちになれるんですね。 う~ん、しぇいしゅんだなあ~! 良く考えたら、映画版はどちらも「アルタミラピクチャーズ」の制作作品でした。そうだった、これでかなり納得。冒頭の「見て驚き、そして納得」とは、こういうことでした!
ストーリーの本編は、愛媛の松山第一高校の入学式からスタート。新入生の篠村悦子は、入学前に4人漕ぎボートの魅力にハマってしまい、ボート部への入部を決意。しかし男子部しか無かった。「だったら私が女子ボート部を作ろう」と、1年の各教室を回って必死の勧誘。その後いろいろあったけど、規定人数の5人がようやく集結。そこから「女子ボート部の伝説」が始まります。このストーリーは、後に女子ボート部のコーチとなる大野仁美(石田ゆり子)の回想に沿って展開されるんですね。つまり私たち視聴者は、「伝説になるまでの経過を見ていくことになる」ということです。
これまで第3話まで見てきたけど、次に挙げる悦子の2つの言葉に、かなり感動してしまいました。
○第1話・悦子が他の教室でバカにされながら語った勧誘の言葉
(黒板には、悦子が書いた「女子ボート部!」という大きな文字)
細胞は・・・人間の細胞は日々、何万個も再生されるんよ。
一週間もすれば、外見は同じでも、どんどん違う人間になってしまうんよ。
この自分は今しかない。一瞬の自分・・・。
今、感じていることを誤魔化したくない。
やりたいんよボート。あんな風に、ピタって一つになってみたい・・・。
回りの顔色、伺うような毎日は嫌や。
その場凌ぎの毎日、送るゆうのは嫌なんよ。
深い、深い、深い友達が欲しい。濃い、濃い、濃い高校生活を送りたい。
やりたいんよボート。やりたいんよ、やりたいんよ、やりたいんよ・・・。
悦子が必死に訴えかけるのを見て、まず数人が心を打たれて女子ボート部へ入部しました。私もこの言葉で、自然に涙がこぼれてきました。これが、今クールのドラマ試聴における初めての「涙」。以前同じ「火10」で放送されたドラマ「みんな昔は子供だった」でも、そのクール初の涙を流した経験がありました。この時間枠って、私的に涙を誘われるドラマが結構多いかも。悦子の言葉は、今でも心に残ってるんよ・・・。
○第3話・悦子が新人戦で最悪な状況になった時に語った涙ながらの言葉
(湖の真ん中でボートが止まり、部員たちの士気も低下し、
普段からボートの件で怒られている父親が岸を後にするのを見た悦子)
このままじゃ・・・ダメなまんま・・・。
当然や、見てもらえんで当然や。
逃げてたんよ。あたし、もうずっと、
お父ちゃん、えこひいきばかりやとか、
どうせあたしはダメやとか、そんなことばかり言うて・・・。
逃げるようにボート始めて、でも、そんな甘いもんやなくて・・・。
本当は、サボってたんよ。
特別メニュー、やれ言われても、辛くて、
やってるフリして、あたし、サボっとった!
あたし、皆に嘘ついた。
なのに、また逃げたら、本当に負けや。
ここで逃げたら、本当に負けや!
(泣きながら一人で漕ぎ始める悦子)
みんなゴメン、あたしもう逃げんよ!
どんなに辛くても、もう逃げん! だから・・・。
オールメーン! がんばっていきまーっしょいっ!
最後まで漕ごう! がんばっていきまーっしょい!
(悦子の言葉を聞いて、再び漕ぎ始める部員たち)
キャッチ! ロー! キャッチ! ロー!
「ボートをやる!」と強く決意したはずの悦子。他の部員より筋力や持久力が劣っていたため、男子ボート部のコーチから特別メニューをこなして追い付くように言われていたのに、やったことにしてサボりっ放し。しかしこの新人戦で自分の愚かさを知った悦子は、涙を流しながら部員たちに謝って、自己のやる気をより一層向上させようと決意したのでした。ああ、映像を見ながらセリフを書き起こしていたら、また涙が出てきたんよ・・・。
そして新人戦のレースを見た回想主の仁美が、ボートを教えることを正式に彼女たちへ伝えたところで、第3話が終わりました。こ、これは、場合によっては私的評価が最終的にかなり上位へ食い込む可能性あり! ドラマ制作の方も、がんばっていきまっしょい!(あっ、まあ、いろんな意味で・・・)
その他、どうしても言いたかったのが、aikoの主題歌「キラキラ」。これ、すごく良くて大好き! ピアノの弾けるようなイントロから始まって、Aメロはメロディが絶妙で、Bメロはコード進行が巧みで、サビは何だか勇気が湧いてくるような、そんな気分になれる曲です。「aikoならでは」っていう感じですね~!
○aiko「キラキラ」・サビの一節
羽が生えたことも 深爪した事も
シルバーリングが黒くなった事
帰ってきたら話すね
その前にこの世がなくなっちゃってたら
風になってでもあなたを待ってる
そうやって悲しい日を越えてきた
エンディングのタイトルバックでこの曲が流れながら、女子ボート部の普段の姿が描かれるんだけど、それを見て今度は感動の涙を流しそうになる。やっぱりaikoは良いね! 曲も良いけどメッセージ性の強い詞が良いんだよね! ちなみにこの曲、aiko自身が「デモの段階からイメージがあったので、ピアノはもういっぱい入れてくださいっていう話をアレンジャーにしましたね。」と某誌で語っていました。「歌に関してはけっこう難しかったんですけど、もう熱唱しましたよぉ(笑)。ツアーの最中のレコーディングだったから、気分がよりノッてる感じもあったし。気持ちよかったですね。」とも。「キラキラ」というタイトルが、女子ボート部の輝きとリンクしているかのようで、ナイスタイアップですね~!
そうそう、タイアップといえば、今回ちょっと面白い試みがありますね。このドラマ「がんばっていきまっしょい」の主題歌と共に、TOYOTAの自動車「Porte(ポルテ)」のCMソングにもなっています。つまり、ダブルタイアップ。しかも、ドラマでは仁美の愛車としてポルテが登場し、CMでは仁美こと石田ゆり子さんがポルテで湖のほとりに来ていて、湖では5人の女子ボート部たちが「ファイトー、がんばっていきまっしょい!(しょい!)」と叫びながらボートを漕いでいて、最後に石田さんが背伸びしながら「ポルテでいきまっしょい! ポルテ。」と言うナレーション。つまり、ストーリーリンク。このドラマの時間枠でTOYOTAがスポンサーの一つだから、毎回その両者を見られるということで、面白い! ますますナイスリンクでナイスタイアップですね~!
というわけで私は、当初の不安視が申し訳無いくらい、かなり気に入ってしまいました! 第1~3話のまとめレビューではあるけど、既に長文ではないか!(笑) そんなわけで、もっと書きたいことがあったんだけど、次回レビューに回すことにします。特に当初不安視した理由でもあった「キャストについて」のことを、しっかりじっくり書きたいのでね~(実は残念ニヤリ?)。おっと、このドラマのレビューは毎話書いていく予定ですよ。さて最後に、女子ボート部の今後の活躍を願って、悦ネェ(悦子)直伝のアレ(掛け声)、いっときますか!
○頑張れ、松山第一高校・女子ボート部!
中浦真由美(通称“イモッチ”/藤本静): 「夢はでっかく!」
菊池多恵子(通称“ダッコ”/岩佐真悠子): 「目標は大きく!」
中崎敦子(通称“ヒメ”/佐津川愛美): 「心はまーるく!」
篠村悦子(通称“悦ネェ”/鈴木杏): 「四角はとうふ!」
矢野利絵(通称“リー”/相武紗季): 「おでんのこんにゃくはさんかく!」
篠村悦子: 「がんばっていきまっしょい!」
全員: 「しょい!」
そして私ももう一度。このドラマのレビューも、がんばっていきまっしょい!(しょい!)
●ドラマ

・主題歌「キラキラ」(aiko)
・「がんばっていきまっしょい」オリジナル・サウンドトラック
●原作小説&映画

・原作小説「がんばっていきまっしょい」(敷村良子・「第4回坊ちゃん文学賞」大賞作)
・映画「がんばっていきまっしょい」(田中麗奈、他出演)
・「がんばっていきまっしょい」オリジナル・サウンドトラック
○アルタミラピクチャーズの代表作(私のオススメ!)

・映画「ウォーターボーイズ」
・ドラマ「ウォーターボーイズ」DVD-BOX
・ドラマ「ウォーターボーイズ2」DVD-BOX
○関連カテゴリ「ウォーターボーイズ2」
【 http://adstv-web.cocolog-nifty.com/studio/waterboys2/ 】
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