このドラマの放送前後、毎週のように発生する本物の地震。いったい何なんでしょう? ニュース速報が即座に入ることで、緊迫感や現実味がより深まる感じがします。もはや「ただのフィクション」ではない!
○ドラマ視聴率は本館サイトの該当コーナーから!
○フジテレビ系「救命病棟24時」
第7話「朝はまた来る!」
東都中央病院にそば店主の小木(山田辰夫)が搬送されてくる。小木の治療を担当した進藤(江口洋介)は妻・静子(円城寺あや)のようすに異変を感じる。その後、静子が胃潰瘍(かいよう)を患っていることが発覚。静子は病気のことと、店が全壊したことを小木に告げられないので、進藤らから話してほしいと懇願する。だが、進藤は静子に自分の口から話すべきだと諭し、小木と同じ病室に移す。一方、楓(松嶋菜々子)は裕樹(石黒賢)の遺体を家族に渡すため裕樹の実家へ。葬式を終え、つかの間の静かな時間の中、楓は失ったものの大きさをかみしめる。
地震発生後8日目。16時前の夕方のこと。東都中央病院救命救急センターにそば屋の店主・小木が搬送され、その妻・静子も付き添いでやって来ました。しかし、夫婦で口ゲンカをしながら夫を気遣う静子が、胃の辺りを押さえていたのを進藤先生が発見。しばらくして夫から離れた静子は、その場に倒れてしまいました。分析の結果「胃潰瘍(いかいよう)」と判明。話を聞けば、改装した店や自宅が地震で全壊したことを夫に伝えたくない様子でしたが・・・。同時刻、寺泉議員(仲村トオル)とボランティアのリーダーの和也(小栗旬)たちがコンビを組んで、積極的にボランティア活動を続けていました。和也は赤い紙が貼られた場所には近付かないよう注意を促していましたが・・・。またその頃、楓と亡くなった裕樹を乗せた救急車が岡山の加賀家に到着。悲しむ家族を前にして、楓はただ涙を溜めて見ているだけでした・・・。
裕樹の葬儀が行われたけど、裕樹の笑顔の遺影を見て、楓は何を思う? そんな楓が、精神的なダメージも多かったことでついに倒れてしまった! 地元の医者(米倉斉加年)も駆けつけたけど、ひどい過労だったようです。翌朝、楓は充分に休んで回復したけど、地元新聞「吉備日報」の一面記事には、「東京都23区に激災法適用[東京東部地震10日目]・二十兆円規模の補正予算を検討」というニュースが。テレビでは、「首都機能完全マヒ! 東京大震災」というドキュメント特番が。その中の「1月11日 午後4時15分」という字幕を見た楓は、また心を痛ませてしまいました。
その頃、東京の救命救急センターでは「小木家全壊の告知問題」が発展し、医師の日比谷(小市慢太郎)と研修医の純介(川岡大次郎)は意見が合わず口論に。でも日比谷は「自宅が潰れた人なんか山ほどいますよ」と言って、自分の意見を否定せず。そうしている間にICUのベッドが空いたことで、進藤先生は小木夫婦の各ベッドを横並びに設置したんですね。小木には奥さんが胃潰瘍で倒れたことを告知し、家の全壊については「ご自宅のことは、奥さんからご主人に伝えるべきだと思います。」と一言。妻から詳しい話を聞いた小木は、青ざめて言葉を失ってしまいました。よほどショックだったのでしょうね。その後再び医師たちが集まった所で、今度は「告知後問題」が発展し、日比谷と純介はまたもや意見が合わず口論に。でも日比谷は「家が潰れた人の気持ちがお前に分かるのかよ?」とか「時間が解決してくれるんだよ」と言って、その場を去るだけ。そうかと思えば、外で誰かと電話で話している? 「おふくろ」? そう、実は母親と電話をしていたんですね。その会話中に、「うちのマンションはもう無いんだよ」という言葉が。そうか、なるほど! 日比谷は自分の住家が潰れてしまったことで、その辛さを痛いほど理解していたんだ! 「時間が解決してくれるんだよ」とは、自分に言い聞かせた言葉だったんだ!
そんな中、救命救急センターが突如として緊迫したムードに早変わり。倒壊家屋に近付いて大ケガをしてしまった2人のボランティアが搬送されてきました。「ボランティアにケガさせるなんて・・・」と弟の和也を責める純介だったけど、日比谷は「弟を責めてるのか?」と一言。彼らの口論は止まらない? その日比谷によれば、ボランティアの1人は「右股関節脱臼」。純介は血圧が上がらないことに疑問を感じていたけど、進藤先生が患者の首辺りを触ると頸静脈が怒張していたことが判明し、純介は「心タンポナーデだ!」と叫びました。うーんこの辺り、何だか専門用語が飛び交って分かりにくかったけど、危険な状況なのは確かでした。
○「心タンポナーデ」とは?(ドラマ内紹介+αより)
心タンポナーデ(cardiac tamponade)
心膜腔内に液体が貯留することにより心臓が圧迫され、
心拍出量が低下して循環不全に至る状態。
すぐにそれ用の治療に切り替えたため、ボランティアの命を取り留められました。相変わらず医学の勉強になります。その時、寺泉を求めるマスコミが殺到し、当の寺泉はボランティアたちが勝手に危険な所へ行ってケガしたことでためらっていたけど、そこで進藤先生が「堂々とそう言えばいいじゃないですか」と伝えたんですね。その言葉には、「ボランティアの責任ある行動」を求める願いも含まれていたと思うけど。寺泉は、「ボランティアを失うこと」だけは避けるようにして取材に応じました。
夜、岡山にいる楓は、東京のことが気になって救命救急センターに電話すると、上手い具合に進藤先生が出ました(笑)。葬儀が無事終わったことの報告と共に「彼のそばを離れられません」と言う楓に対し、進藤先生は「俺も、妻を亡くして、立ち直るのには随分時間が経った」と告白。また、時間が解決してくれたのではなく、その時間に誰かと話して何かを感じたことも告白。ちょうど日比谷がその場に居合わせていたけど、彼が言っていたこととは全く異なる発言でしたね。
隣同士のベッドにいても、あれからほとんど会話の無い小木夫婦。その間に入ったのが、なんと佐倉看護師(大泉洋)! 突然甲子園球児時代の話を持ちかけたかと思えば、一昨日医局のテレビで自宅アパートが燃えているニュースを見て驚いたことを告白。想い出の品々が全部燃えたことも伝えた後、「何かあったらいつでも呼んでください」と言ってその場を後にしたんですね。これには回りにいた医師たちも驚いていたけど、同じくその様子を見ていた日比谷も小木夫婦に近付いて、地震の後に帰ったこと、患者より家を優先したこと、皆には無事と言っていたけど実はマンションが全壊していることを告白。そして母親のことについてもあれこれと・・・。「時間が解決してくれる」と言っていた日比谷も、語りながら疑問が生じ、そこを後にしても首を傾げる様子。日比谷、今あんたは、何かが変わろうとしているんだよ!
二人の医師の告白を聴いた小木夫婦はその後久々に会話をしたけど、小木は家の全壊を薄々気付いていたようでした。でも妻の静子は、店が無くなったことでいつもの“頼もしい夫”がいなくなるように思えて、ずっと心配していたんですね。小木は大声で進藤先生を呼び、「ゼロからやり直すのは簡単じゃないんだぞ!」と一言。そこで進藤先生は、「でも人間は、倒れたままではいられないんです。」と答えたんですね。そうか、なるほど! 人間も家も“倒れた”という点では同じだけど、人間には「自ら立ち上がる力」が備わっているんですよね。倒れたままではいられない。倒れたなら何とか立ち上がって、また一から物事を立て直せばいいじゃないか、と。そんな忠告のように思えました。この一言で、小木夫婦も改めて考えさせられた様子でしたね!
一方楓は、進藤先生に言われた通り、気分を変えるために外を歩いていました。着いた先は砂浜のきれいな海。その時、はめていた指輪が無いことに気付いた! 困って慌てた楓だったけど、彼女の病態を診てくれた医者も現れて一緒に探したところ、その医者が見事に探し当ててくれました。楓も「指輪あった!」と大喜び。医者によれば、そこは裕樹が子供の頃からずっと遊んでいた場所だから、その指輪が楓から離れることは無いことを伝えてあげたんですね。うん、ナイスフォロー! 楓は加賀家に戻って、裕樹の遺影の前でまた何かを考えていました。テレビを付けると、マスコミの前で会見する寺泉の姿が。「余震で剥がれ落ちたモルタルが! ボランティア2名負傷」という字幕もあったけど、寺泉は「例えボランティアがいなくても自分たちだけで守る」という強い意思を表明しました。ボランティア活動における「自己責任」と「事故責任」。そんな“言葉の対比”を感じさせました。インタビューを終えた寺泉の元に、上の堀内議員から「臨時内閣に迎えたい」という電話連絡が。また心が揺れ動く表情を見せた寺泉だったけど、今度こそ今までの彼とは違うはず、だよね?
翌朝、楓は裕樹の父と話した中で、「私、東京へ戻ろうと思います。」と伝えました。そして東京の救命救急センターでは、小木夫妻が退院。小木は進藤先生には黙って会釈し、日比谷には「そのうち屋台開くから来い。美味いそば食わしてやるよ。」と言ったんですね。日比谷は「そばは嫌いだって言ったろ?」と医者らしからぬ口調で言い返したけど(笑)、小木は「あんたにじゃないよ。おふくろさんに、だ。」とまた言い返したんですね。この二人、意外に良い関係? また日比谷は進藤先生に「全部あんたに任せるよ、進藤先生」と伝えたことで、この二人も徐々に良い関係になっているみたいです。医局長と看護師長も陰で話していたけど、もはや医者も患者も関係無いのです。同じ“被災者同士”なのだから。
その時、ある人物がやって来た。楓だ! 楓が戻ってきてくれた! 救命救急センターの医者たちが楓の姿を見つけ、一斉に駆け寄るスロー映像が流れました。楓は「帰ってきました。」と一言。「もう離れることは無い」という、あの指輪を胸に下げて・・・。
ラストシーンで楓が登場した辺りからタイトルバック終了までの間、Dreams Come Trueの主題歌「何度でも」がほぼフルコーラスで流れたんだけど、戻ってきた楓のアップと「♪何度でも何度でも何度でも・・・」の連呼でかなり泣けてしまいました。この歌詞、良過ぎです・・・。
○Dreams Come True「何度でも」・歌詞の一部(最後辺り)
何度でも何度でも何度でも 立ち上がり呼ぶよ
きみの名前 声が涸れるまで
悔しくて苦しくてがんばっても
どうしようもない時も きみの歌を思い出すよ
この先も躓いて傷ついて傷つけて
終わりのないやり場のない怒りさえ
もどかしく抱きながら
どうしてわからないんだ? 伝わらないんだ?
喘ぎ嘆きながら 自分と戦ってみるよ
10000回だめで 望みなくなっても
10001回目は 来る
きみを呼ぶ声 力にしていくよ 何度も
明日がその10001回目かもしれない…
さすがはこのドラマのための書き下ろし曲! ちなみに、今回のサブタイトル「朝はまた来る!」に似た「朝がまた来る」も、同じくDreams Come Trueの曲ですね。
さて・・・。このドラマのレビューとしては、今回が最も長文になってしまいました。自分でもびっくり。また、東京と岡山の話で行ったり来たりしたせいで、訳が分からなくなったかもしれません(苦笑)。でも、ドラマを見て感じたことは今回も多くあったし、特に書きたかった自分なりの言葉を随所に入れられたし、とりあえず満足! 以前「視聴者の満足度が最も高いドラマは、『救命病棟24時』!」というニュース記事を目にしたけど、まさにその通りだと思うんですよね!
※ここでもドラマレビューがたくさん探せます。blogランキング!
「救命病棟24時」・DVD-BOX(第2シリーズ)/スペシャル2002
「救命病棟24時」主題歌
第3シリーズ「何度でも」(Dreams Come True)
第2シリーズ「いつのまに」(Dreams Come True)
「救命病棟24時」オリジナル・サウンドトラックIII
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