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2004.10.20

Bank Band・「沿志奏逢」全曲感想

Mr.Childrenの櫻井和寿さんや音楽プロデューサーの小林武史さんらによる「Bank Band」が、30万枚完全限定生産のアルバム「沿志奏逢(そうしそうあい)」をリリースします! 本日10/20がリリース日だけど、私は前日10/19に入手。すぐにでも聴きたかったので、ネット販売は利用せずお店で買うことにしていました。「もしかしたら予約殺到のせいで店頭には並ばないかも?」と心配したけど、向かったのは量販店でたくさん在庫があったので、何とか余裕で買えました。それではどこよりも早めに、「沿志奏逢」の全曲感想・私的ライナーノーツ、行きます! なお、思う存分に書くつもりだし、大きなネタバレ要素もあるので、まだ聴いていない人にはご注意を。聴いてからじっくり読むのも良いでしょう。共感する点等ありましたら、どうぞ気楽にコメントしてくださいね!

○関連記事・『櫻井&小林・「Bank Band」のアルバム発売決定』
http://adstv-web.cocolog-nifty.com/studio/2004/09/post_6.html

○「沿志奏逢」の名前について
「相思相愛という言葉が浮かんで、これを当て字にしたらどうなるかなぁ、と、
そこから生まれた『沿志奏逢』だったんです」
(歌詞カード・櫻井和寿の言葉より)

Bank Band「沿志奏逢」 私的ライナーノーツ(カッコ内は原曲のアーティスト名)

沿志奏逢

01. 僕たちの将来(中島みゆき)
[words & music by 中島みゆき]
アルバムの出だしは、アコギの静かで落ち着いた響きから。
一通り聴いてみて、「やっぱりこれは、ミスチルでは無いんだ」と認識。
“「Bank Band」の櫻井”として聴け、という戒め的な曲でもあります。

02. カルアミルク(岡村靖幸)
[words & music by 岡村靖幸]
岡村さんの曲って、簡単そうだけど歌うと難しいんですよね。
そのメロディラインやコード進行は、「騒ぎまくる音符の舞い」って感じ?
リズム通りに刻むアコギに合わせて、櫻井さんがその音符を上手く追います。
休憩してカルアミルクでも飲もうか? でもキック力は意外に強い?

03. トーキョー シティー ヒエラルキー(ヒートウェイヴ)
[words & music by 山口洋]
直訳すると、「東京の街のピラミッド型階層組織」。ちょっと微妙。
なんだかんだあるけれど、それがルールだという内容です。
これまでの静かな調子から、バンド本来のパワー溢れる調子へ。
力強さを感じられるね。

04. 突然の贈りもの(大貫妙子)
[words & music by 大貫妙子]
ピアノの音が美しい! 間奏のホーンも良い!
ここでまた、ものすごく落ち着いた雰囲気になれます。
この曲は良く知らなかったけど、こんなに良い曲だったんだ?
前知識無しに聴いた私にとっては、まさに「突然の贈りもの」。

05. 限りない欲望(井上陽水)
[words & music by 井上陽水]
約9分もある長編。最初から最後まで、ロックやってます。
そのせいか、これに関してはミスチルっぽい雰囲気が出てます。
井上陽水さんの曲、カッコ良いよなあ。
何回「欲望」って言葉が出てくるんだろう・・・。とにかく多いです。

06. マイ ホーム タウン(浜田省吾)
[words & music by 浜田省吾]
裏でカツカツ鳴りながらの、ベースの音運びっていうのがお見事!
サビの部分は軽快そのもの。浜省ならではのメロディライン?
うん、この曲の褒めるべき点は、ベースだね。

07. 糸(中島みゆき)
[words & music by 中島みゆき]
もう、泣けました・・・はい・・・。
ただでさえ名曲。それをこんなにきれいにアレンジしてしまいますか!
好きだったTBS系ドラマ「聖者の行進」の主題歌だったのもあって、
そのドラマの内容を自ずと思い出してしまいます。
私的には、このアルバム内で最も好きな曲です! 超お奨め!

08. HERO(Mr.Children)
[words & music by 櫻井和寿]
櫻井さん的には、ミスチルのセルフカバーになります。
24枚目のシングル曲で、アルバム「シフクノオト」のラストを飾る曲。
キーは、オリジナルのAメジャーが、Gメジャーになっています。
全音分下がっただけなのに、妙に低いキーに感じるのは何故?

09. 幸福のカノン(さねよしいさ子)
[words & music by さねよしいさ子]
朗らかな“さねよしソング”をどう攻めるかと、最も期待していた曲です。
ほほう、当然だけど、歌ってる歌ってる! 「♪空空空~ 風風風~」ってね。
しかも、元の3/4拍子が2番から4/4拍子に! これは新しい!
ジャズテイストも施されて、オリジナルとはもはや別物。
期待しただけあって、“幸福”な気分です。

10. 優しい歌(Mr.Children)
[words & music by 櫻井和寿]
再び、櫻井さん的には、ミスチルのセルフカバーになります。
20枚目のシングル曲で、アルバム「IT'S A WONDERFUL WORLD」の14曲目。
キーは、オリジナルのB♭メジャーが、Gメジャーになっています。
しかも、元のポップス調がバラード調になり、変化を感じられます。
2つのセルフカバー曲は共にGメジャー。これは・・・。

11. 歓喜の歌(遠藤賢司)
[words by 遠藤賢司・岩佐東一郎/music by LUDWIG VAN BEETHOVEN]
ラストを飾るのは、大御所“エンケン”の代表曲。
「かんきのうた」ではなく「よろこびのうた」と読みます。
3分もない長さの曲で、アコギをバックに歌われます。
最後はやはり静かに締めました。

12. !!!(???)
と思ったら、大きな間違いさ~~~!(ネタバレ事項に突入!)
シークレットトラックがあります! 12曲目、期待して聴こう~!
しかしこの12曲目、シークレット要素を除いた大きな秘密があります。
なんと、CDによって、12曲目が違うんです!
CDの外見からは分からず、聴くまでは分かりません。その曲とは?
吉田拓郎の「イメージの詩」か、浜田省吾の「僕と彼女と週末に」です。
私が買ったCDは浜田省吾の「僕と彼女と週末に」だったけど、
後になって吉田拓郎の「イメージの詩」も聴けました。
それでは、シークレットトラックたちの曲感想をご紹介!

12-1. イメージの詩(吉田拓郎)
[words & music by 吉田拓郎]
この曲は、吉田さんのデビューシングルで、
ファーストアルバム「青春の詩」からのシングルカット曲です。
延々と同じようなメロディが続くんだけど、サウンドはジャズ調。
間奏部のサックスが良い味出してます。
最後に入る拍手が、「アルバム自体の完結」を強調しているかのようですね。

12-2. 僕と彼女と週末に(浜田省吾)
[words & music by 浜田省吾]
私のCDはこの曲でした。店で手渡してくれた店員さん、サンキュー!
「君を守りたい/愛を信じたい」の連呼が、実に良いんですよ。
途中から、浜省オリジナルと同じく、長文のセリフ入りですよ。
詞の中で「See-Saw-Game(シーソーゲーム)」という言葉が出てくるけど、
ミスチルはそのタイトルのシングルを出してるし、リンクしてますね。
慌ててオリジナル曲も聴いたけど、同じくらいに良かった!

ひゃー! 手に取る時点で、運命が決まっちゃうんですね!
どっちが「当たり」? どっちも「当たり」? でも私は、浜省CDで良かったっ!
(吉田拓郎CDだった方、感想を教えてください!)

※無断引用だけ禁止しますね。


以上、全曲の感想でした。
うん、買って良かった! 聴いて良かった! そんな第一印象です。しばらくは毎日のように聴くことになりそうです。全曲感想、読んで楽しんでいただけたでしょうか?

ところで、誰もが気になるのが、ジャケットの絵。「なんでキュウリなの?」と。その答えは、歌詞カードにありました。元々はキーボードの小林武史さんの案らしく、自作の家庭菜園でキュウリが成って美味しかったことで、ベルベット・アンダーグラウンドの有名なバナナ・ジャケットに似せたという話でした。いずれこの「沿志奏逢」が、通称“キュウリ”と呼ばれる日を願いつつ・・・。

ベルベット・アンダーグラウンド&ニコ
(参考)「ベルベット・アンダーグラウンド&ニコ」デビューアルバム
通称“バナナ・ジャケット”

最後に、「沿志奏逢」の収録曲について、オリジナル曲が収録されているアルバムをご紹介します。原則として通常アルバムですが、これを機会に原曲アーティストを深く知ってもらいたいのもあって、ベスト盤も含めました。どうぞご参考ください!(「Amazon.co.jp」の商品リンクです)

はじめまして
(1)
OH!ベスト
(2)
LONG LONG WAY-1990-2001-
(3)
大貫妙子 ライブラリー
(4)
断絶
(5)
Promised Land~約束の地
(6)・(12-1)
Singles 2000
(7)
シフクノオト
(8)
STYLE BOOK
(9)
It's a wonderful world
(10)
純音楽一代 遠藤賢司厳選名曲集
(11)
青春の詩
(12-2)
※数字はトラックナンバー

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コメント

はじめましてー。
沿志奏逢のシークレットトラックの謎を探して徘徊中です。
私のも「僕と彼女と週末に」でしたよ。
いいですよね、あれ♪

投稿: daria | 2004.10.20 19時14分

12曲目の曲名が判らなくて、うろついてたらこのページを発見して謎が解けました。あなた天才。
「キミを守りたい」なんて、いかにもな歌詞ですよね。
おれもこの曲で良かったです。

投稿: mister | 2004.10.20 19時40分

 amazonから購入した一人なんですが(笑)、enhanced CDということで、ムービーデータとは何だろうと思っていたのですが、まさかflashを使ったコメントがそうなんだろうか?ライブ映像でもあるのかなぁと期待していたんですが...
 まぁこれはこれで、本質の中身ですが、なかなかいいですね!BGMとして、とコメントがあるようにそんな感覚でも十分堪能できる、心地いいサウンドです。

 あずさんのコメントはこれに限らずいつもよく調べられていますよね。本当に感心しきりなんですが、例の12曲目、そんなカラクリがあるなんて、これを見ていなきゃ知らなかったです!どうやら私のディスクは、吉田拓郎さんの「イメージの詩」のようです。ピアノとトランペットとベース(エレキかなぁ?)のジャズ調アレンジで(原曲はまったく知らないんですけど)、8分を超える大作!に仕上がっています。櫻井さんがイスに座りながらフォークギターを持って歌っているんじゃないかぁと勝手にイメージして聴いています。曲の最後に拍手が入っていますので、ひょっとするとBGMライブで披露したものなのかなぁと思うんですがどうなんでしょう?
浜田省吾さんの「僕と彼女と週末に」も聴いてみたいですね!

投稿: LX | 2004.10.21 00時48分

>dariaさん

シークレットトラックの話は参考になったようですね。「僕と彼女と週末に」は、聴けば聴くほど好きになります。良い曲ですよね! ちなみに中盤のセリフ部分だけど、収録ライブでは櫻井さんが本のような物を取り出して、それに書かれたセリフ全文を朗読したらしいですよ。

>misterさん

12曲目は2種類存在するけど、私と同じく「僕と彼女と週末に」だったんですね。「君を守りたい/愛を信じたい」の連呼がまた良いんですよね。原曲も聴いたんだけど、同じように良かったです。是非聴いてみてくださいよ。

>LXさん

パソコン対応のエクストラトラックにも期待したけど、コメントのFlashムービーでしたね。データファイル的にもそれだけのようです。私も「もしかしてライブ映像?」とか期待しましたよ~。

収録曲はBGMって感じですね。感想は聴いたままを書いただけですけど、凝縮して簡潔に書くのは難しいです。シークレットトラックは、限定盤なのに粋な計らいですよね。別CDを追う人が殺到して、30万枚なんてすぐに売り切れるかも。でも外見じゃ分からないから、一発当てはますます困難かな。吉田拓郎さんの「イメージの詩」は遅れながら聴きました(感想を追記します)。その曲ももちろんライブで歌われたんですけど、最後の拍手が「ライブアルバム自体の完結」って感じがして良いですね。浜田省吾さんの「僕と彼女と週末に」もかなり良いですよ!

投稿: ads(あず)@管理人 | 2004.10.21 01時27分

いつも深く掘り下げてコメントされていて頭が下がります。
情報も豊富で、リンクもすごくて・・・。

ほんと素晴らしいアルバムですよね。
あ、12曲目、私も「僕と彼女と週末に」でした~。
これからも楽しみにしてます~☆

投稿: cozy | 2004.10.21 17時45分

ありがとう! 確かに、素晴らしいアルバムですね。曲感想については、聴いたままを書き綴っただけですけど、読んで楽しんでもらえてうれしいです!

cozyさんのCDも「僕と彼女と週末に」だったんですね。この曲だったという感想が書かれたblogが非常に多いんだけど、実際30万枚のうちの半分なのかな? もしかして「イメージの詩」のCDの方が希少だったりして?

投稿: ads(あず)@管理人 | 2004.10.22 00時10分

11曲だと思っていたのに12曲目が流れてきた。??と思いながら聴いていると・・・あーッ、「イメージの詩」だ!!若かりし頃の吉田拓郎を知っているおばさんは、懐かしさとうれしさで涙してしまいました。こんな素敵なアレンジの「イメージの詩」が聴けて、とってもシアワセです。
なぜ12曲目があるのか、訳がわからずあちこち検索していてここにたどり着き、やっと謎が解けました。「僕と彼女と週末に」のバージョンもあるんですね。ぜひ、聴いてみたいです。

投稿: hisaおばさん | 2004.12.04 21時26分

hisaおばさん、まずはお役に立てたようでうれしかったです! それからネットに数ある紹介記事の中で、ここへたどり着いてくれたことがまたうれしかったです!

シークレットトラックが二種類ある話は、以前かなり話題になりました。「イメージの詩」は、吉田拓郎さんファンなら現代風アレンジ版がまた良く聴こえたんでしょうね。涙したなんて、相当感動したんでしょうね。私が買ったCDは「僕と彼女と週末に」だったけど、こちらもすごく良いアレンジで感動します。ぜひ聴いてみてくださいね!

投稿: ads(あず)@管理人 | 2004.12.05 02時18分

ハジメマシテ(・∀・)

今更『沿志奏逢』を聞く機会があったんでTBさせてもらいました。
記事中にも本記事へのlink貼ってます。
何か不都合あったら言うてくださいな。(*´ω`)

投稿: 豚(ohden) | 2005.10.02 07時29分

豚(ohden) さん、コメントやらトラックバックやら、うれしい限りです。過去記事も重要な情報源なので、リンクはもちろんOKですよ!

ちなみに、店頭での「沿志奏逢」の2種類の見分け方は、実は存在したんです。パッケージに貼られた宣伝用ラベルの表記が微妙に違っていて、それを見れば開封してCDを見なくてもどちらのバージョンかが分かったんですよ。私も後になってそれを知ったんですけどね。

投稿: ads(あず)@管理人 | 2005.10.03 02時28分

こんばんわ。はじめまして。いきなりのTB失礼に当たりましたら、すぐに消しちゃってください。

力のこもった全曲解説読ませていただきました。素晴らしいです。私もこのアルバム大好きなので、興味深く読ませていただきました。

投稿: kyu | 2005.12.04 22時15分

kyuさん、コメントありがとうございました。全曲感想を読んでもらえてうれしいです。このアルバムは、BGMとして聴くのに最適ですよね!

投稿: ads(あず)@管理人 | 2005.12.05 03時15分

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