セカチュー・サクとミスチル「Over」のリンク
ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」を全話見た上で、おそらくここ独自になりそうな感想を書きましょうか。私はこのドラマを見ながら、大ファンであるアーティスト・Mr.Childrenの「Over」という名曲の歌詞をよく思い出していました。実はこの歌は「失恋ソング」で、振られた彼女との愛の日々を切々と思い返す男の心情が歌われているので、ドラマとはテーマが全く異なります。でも歌詞をかいつまんで見ると、その「男の心情」がアキ(廣瀬亜紀)と死別するまでの主人公・サク(松本朔太郎)の心情そのものなんですよ!
Mr.Children「Over」(部分的に抜粋)1.
何も語らない君の瞳の奥に愛を探しても
言葉が足りない そうぼやいてた君をふっと思い出す2.
“風邪が伝染るといけないから キスはしないでおこう”って言ってた
考えてみると あの頃から君の態度は違ってた3.
わからなくなるよ
男らしさって一体 どんなことだろう?4.
夕焼けに舞う雲
あんな風になれたならいいな
いつも考え過ぎて失敗してきたから5.
今となれば
嘘のつけない大きな声や
家事に向かない荒れた手のひらも
君を形成る全ての要素を
愛してたのに
心変わりを責めても君は戻らない6.
愛しき人よ さよなら何も語らない君の瞳も いつか思い出となる
言葉にならない悲しみのトンネルを さぁくぐり抜けよう
それでは順にリンク付けしていきます。
1は、ドラマ冒頭。「何も語らない君」というのは現在2004年にはもういないアキのことで、1987年当時の想い出を「ふっと思い出す」サク。
2は、アキが自分の病態を悟って、サクとの面会をあえて拒否していた時期。後になってそれを知ったサクは、「あの頃から君(アキ)の態度が違ってた」とようやく把握。ちなみに久々に面会した時は、アキが頭髪を剃って坊主になっていた後だった。
3は、アキのために何をしてあげられるのか悩むサクの自問。ドラマでの答えは、第8話でカセットテープに「アキが好き」という内容の言葉を吹き込んでアキに渡した行為と、空の写真を撮っては送り続けた行為につながっているように思う。
4は、オーストラリアの修学旅行で「空の素晴らしさ」に気付いたサクが、日本へ帰った後でアキのために空の写真を撮り続けながら抱いた(かもしれない)希望と自責。
5は、歌の中でもラストを締めくくる部分。オーストラリア・ウルルで愛を叫んだ「嘘のつけない大きな声」。「君を形成る(つくる)全ての要素」の一つである骨さえ愛し続けたサクだが、もう「君(アキ)は戻らない」。
6は、過去の回想から再び「1」へ戻る重複分。「愛しき人よ さよなら」と思い抱きつつも、「言葉にならない悲しみのトンネル」をくぐり抜け、現在を強く生きるサク。
こんな感じです。「そう言えば!」とか「まあ何となく?」とか思ってくれたかな? この歌のタイトルである「Over」は、「全てが終わる」という意味と「何かを越える」という意味を持ち備えているんですね。そういう点で見ても、「終わったアキとの日々」と「未来へ向かって生きる」という解釈から、「恋人の死による悲しみを乗り越えて強く生きていくサク」という意味にリンク付けすることができるんですね。テーマこそ全く違うけど、“上手いこと言った×2”って感じ?(笑) それにしても、「Over」って良い歌ですね~!
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