世界の中心で、愛をさけぶ・第4話
最近はもう暑くて暑くて、何かの見出しでも見たけど、まさに「日本の中心で、“暑い!”をさけぶ」って感じでしたね。ところで「TBS系・22時枠」は裏の日本テレビ系「金曜ロードショー」とぶつかるんだけど、この夏はその裏番組の攻撃がすごい! 「となりのトトロ」のような「ジブリ系」に始まり、「ルパン三世」、「新・刑事コロンボ」、間に名作を挟みつつ、また「ジブリ系」。視聴率争いの方もこれから熱くなりそう? 本作「セカチュー」には、「世界の中心で、“熱い!”をさけぶ」の心を貫いていただきたいものです。
○ドラマ視聴率は本館サイトの該当コーナーから!
○TBS系「世界の中心で、愛をさけぶ」
第4話「最後の日」
先に言っておこうかな。自分、良い作品の感想は、やっぱり簡潔に書けないっす。後で読み返した時にストーリーの内容が把握できる利点を優先して、今後もダラダラと長文っす。そんなのが「あずスタ」流ってことで読んでほしいっす・・・。
故郷に戻った朔太郎(緒形直人)は、恩師・谷田部(松下由樹)と再会。母校のグラウンドで亜紀(綾瀬はるか)の走る姿を鮮明に思い出す。17年前、亜紀は智世(本仮屋ユイカ)と県予選に向けて陸上部の練習に励んでいた。ある日、大木(田中幸太朗)に思いを寄せる智世は、サク(山田孝之)らを県予選に誘う。公の場が嫌いな大木だが、なぜかあっさり承諾。張り切る智世は、県予選の日に大木に告白すると亜紀に打ち明ける。一方、サクと亜紀は、大木が東京にいる彼女のそばで暮らすため、町を出ようしていることに気づく。
序盤、2004年の大人のサクが、高校時代の恩師である谷田部(やたべ)先生と偶然に再会。いまだにかつての高校で教師を続けていることを知り、そのグラウンドでアキの想い出話をしました。ようやく初回話から引っ張ってきた、サクへの手紙の送り主に出会えたことで、過去の話が判明し始めます。谷田部先生の「廣瀬の最後の走った日のこと、覚えてる?」という問いに対して、サクの「忘れるわけがなかった。17年前、1987年7月19日、12秒91、アキが走った、最後の日。」というナレーション回答。こんなところから始まりました。しかしストーリーの軸になったのは、サクとアキの話よりは、東京にいる彼女の元へ行くスケちゃんとそれを追いかける智世の、「ほんのり淡く悲しい恋の話」でした。
1987年のシーン。皆の前では明るく振舞っていたスケちゃんも、裏では心配事を抱えていた。また、急にバイトを始めたり、昔の写真を焼き増ししたり、大事なカセットテープをあげたりと、その妙な行動ぶりにはサクやアキやボウズもそれとなく気付き、そして気になっていた。スケちゃんはサクに「野暮だねぇ、お前さん」なんて言ったり。でもそんなスケちゃんのことは智世には内緒で・・・。そして県予選当日、競技を見に行くと言っていたスケちゃんは現れず。サクたち3人が心配していたのを見た智世は、それまで内緒にされていた事実を知ってしまう。4人で走って向かった駅には、荷物を抱えて電車に乗るスケちゃんがいた。電車が走り出して、涙ながらに車内から弁解するスケちゃんと、涙ながらに電車を追いながら責める智世。今回はここで泣けました。切なかった・・・。智世の「ごめんね、最後の試合になるかもしれなかったのに」という言葉に対して、アキは「もう十分走ったし」と笑顔で回答。アキって、本当に良い子・・・。
慌てるように県予選会場へ戻ったサクとアキ。しかし着いた時は、アキの出るレースのスタートを合図するピストルが鳴った直後だった。県予選が終わって誰もいなくなった競技場。サクとアキはトラック上に立ち、二人だけの競技会を始めた。サクが計測したアキのタイムは、12秒91。それはアキの「自己ベスト」の記録だった。アキが走った最後の日。ここで、1987年のシーンへ移る直前の、サクのナレーション映像につながりました。あらすじの詳細はここまでだけど、こんな淡々としたストーリーの中に、深いエピソードが盛り込まれていましたね。
まず、これまでサクとアキを中心としたストーリーが続いた中、今回は初めて身近な人物たちに大きくスポットが当てられました。いきなりだけど、サク(朔太郎)・ボウズ(顕良)・スケちゃん(龍之介)・そして紅一点の智世は、なんと幼稚園からの付き合いだったんですね! 道理で腐れ縁みたいな付き合いに見えていたわけだ。今話はそれにアキが加わって、五人全員が主役のような展開でしたね。それはまるで「オレンジデイズ」のように(笑)。そうそう、ボウズが頑張っていた! 時には仲間に向かって訴えたり、時には仲間のために動いたり。智世を置いて東京へ行こうとするスケちゃんを強く責めながらも、ちゃんと東京での生活費を計算してあげていたりね。男3人組、さすがに良い仲間!
あと、谷田部先生の無言の気遣い、これも良かった! 県予選に向けて練習をするアキを見守るサクに対して、自転車にそっとホイッスルを掛けておいたり、アキがレースに遅れたことでサクが係員に弁解するのを辞めさせて頭を下げて謝ったり、サクとアキが誰もいない競技場で話しているのを見て、自転車にそっとストップウォッチを掛けておいたり。今話を良く見ると、谷田部先生は序盤ではホイッスルとストップウォッチを首から掛けていたけど、中盤ではホイッスルを掛けた後だからストップウォッチだけになっていたし、その後はストップウォッチも無くなったことになる、と。それで2004年のシーンでは、昔のようにまたホイッスルとストップウォッチを首から掛けていた、と。この2つのアイテム、時を置いて非常に重要な物だったよね。あと全然関係ないけど、気になったのがスポーツ用品。陸上部のシャツはミズノ(SUPERSTAR)、ソックス&シューズはアシックス(ASICS)、アキが練習前に履いていたシューズは月星化成(JAGUAR)、谷田部先生が県予選で着ていたシャツはアディダス(adidas)、等々。かなり興味あってチェックしちゃったけど、この辺りはスポンサーがらみが無いからか、何でもありだったような・・・(笑)。
それから、今話は1987年辺りのヒット曲が登場! サクが自転車に乗りながら歌っていたのは、岡村孝子の「夢をあきらめないで」で、サクたちが駅へ向かうシーンで流れたのは、ザ・ブルーハーツの「リンダリンダ」。懐かしかった~。夜のサクの部屋のシーン(開始から27分目辺り)で、尾崎豊の「僕が僕であるために」が流れる中、スケちゃんが手放したカセットテープのラインナップが確認できました(結局ボウズは全部サクに渡したの?)。バービーボーイズ、少年隊、サザンオールスターズ、安全地帯、井上陽水、アルフィー、松田聖子、大滝詠一、吉川晃司等をまず確認。洋楽では、マドンナやビートルズなんかがあるのを確認。これまた懐かしかった~。今話で起用された曲たちは、「ストーリーに合う・合わない」はこの際良くて、「1987年はこんな曲が流行ってた頃」というのが分かればそれでOK!
ああ、面白かった! このドラマ、2回以上見ないと見逃していることが多くて、結構深いですね。うれしい悲鳴~。
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コメント
トトロと野球のおかげで、今回後半を見逃してしまったのですが(涙)、あずさんの長文感想のおかげで十分補完できました~。ありがとうございます<(_ _)>
なおさら見たくなっちゃったのは言うまでもないですが。くすんくすん(T^T)
投稿: mikolin | 2004.07.27 10時59分
今回も泣けました~。
スケちゃんが東京に行ってしまって、出番が少なくなるとかと思うと、それもさびしー。
投稿: シェリー | 2004.07.27 14時35分
わかる!私もいいエピソードや台詞が多くて
切れなくて、つい長文になってしまいます。
それだけ、いいドラマなんですね。
投稿: ふくなお | 2004.07.27 19時12分
こちらのドラマも取り貯め一気に2話分鑑賞しました...
原作にも映画(見てないけどたぶん...)にもない、ドラマ版「セカチュー」ワールドを確立していて、すっかり虜になっています。結論は分かっているけど、各話の展開がよく練りこまれていると感じるからなんでしょうか。
サクのじいちゃんの死、ボウズ・スケちゃん(彼は原作と役柄的にちょっとカラミあり)・智世という主人公と同世代の人物が話中に生き生きと描かれる様、谷田部先生の存在、そして桜井幸子演じる明希の位置付けなど、原作とはいい意味裏切られているがゆえの、勝手に主人公達だけが走りすぎていない所が最大の魅力となっているように思える。
それととっても嬉しいことと言えば、スポーツ用品のチェック&スケちゃんが持っていたカセットのアーティスト詳細...これらを事細かく書いてくれているadsさんに大変感謝!3倍モードビデオでは文字がくすんでいてここまでは判別不能でありました。尾崎豊「僕が僕であるために」は初めて聞きましたし(ミスチルのカバーのみ聞いていたので...)、ドラマの時代背景の頃の自分は安全地帯、アルフィーは超ハマっていましたし、洋楽も結構聞き込んでましたね~(遠い目)
ドラマと脱線してしまいましたが、ついつい熱くなってしまうなぁ、長々すんません。
投稿: LX | 2004.07.28 23時37分
>mikolinさん
20分遅れたんだったかな? 春夏はこういうトラブルが多くて嫌だよね(苦笑)。録画したのはまだあるけど、メディアの貸し借りは禁止の方向でいるので・・・。そっか、長文でダラダラとレビューを書いても、見逃した人には助かってるのかも。補完できて良かったですね! 最終話まで見て気に入ったら、DVDボックス購入も手段の一つ?
>シェリーさん
泣けて、わかってて、3回ほど見ました~。スケちゃん出番少なくなるのかな? それは寂しいけど、もっと辛いことが・・・。
>ふくなおさん
ですよね! 良いシーンやセリフ等を探してしまって、結果的に長文になってしまいます。このドラマは良過ぎるから、簡潔に書くことを挑戦したけどダメでした。同意に感謝!
>LXさん
いつでもコメントは受け付けてますよ。「ドラマ版」として確立されているようで、予備知識ほとんど無しでいた私も面白く見ています。そう、盛り込み方が上手いというか、やっぱり作りが丁寧ですよね。
「オレンジデイズ」でも十分に見せつけた細かいチェックぶりは、今話で久々にできましたよ(笑)。DVDレコーダーだと地上波でも割とクリアな映像で録画できるので、しっかり確認してやりました。この年代の曲たちを今一気に聴くと、懐かしいでしょうね。スポーツ用品たちの方も自分ながらチェックしてて面白かった。番外編的な話も大好きなので、どんどん語っちゃってくださいね!
投稿: ads(あず)@管理人 | 2004.07.29 01時39分
バービーボーイズ、少年隊、サザン、安全地帯、井上陽水、アルフィー、松田聖子、大滝詠一、
吉川晃司、マドンナやビートルズ←あずさん、すごい。
全然確認してませんでした。
劇中に使用された3曲、17年も経ってるなんて思えない・・。
ほんと17年なんてあっと言う間。
でもサクにとってはまだ17年・・。
投稿: TAMA | 2004.07.29 01時51分
吉川晃司だけは自信無いけど、年代的には同時期だからおそらく合ってると思います。ああいうのを調べるのが私ですから(笑)。
17年ですよ、驚きますよね。ところで私は、「リンダリンダ」を某タレントのラジオで初めて聴いた覚えがあるんです。「すごいバンドがデビューする」とか言ってたっけ。その後「♪どぶねずみみたいに~」なんていうすごい歌詞で始まる曲がかかって驚いたっけ。あれから大成功しちゃったわけなんですけどね。
投稿: ads(あず)@管理人 | 2004.07.30 01時15分