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2004.07.20

逃亡者・第1話

「リチャード・キンブル、職業医師。目的地、州刑務所の死刑執行室。」。日本では矢島正明氏によるこんなナレーションから始まる、1963~67年にアメリカで大ヒットしたドラマ「逃亡者(原題:The Fugitive)」の、「日本・現代版」とも言うべき作品です。1993年には、ハリソン・フォード主演の「映画版」も登場しました。「話が上手く行き過ぎ」といった印象の短縮版ではあったけど、なかなか良い出来でした。これが印象深いという人は結構多いかも。でも私の場合は、映画版よりもオリジナル版。学生時代に深夜の再放送でほぼ全て見続けたことがあるだけに、かなり期待していました。先々週末の時点でほとんどのドラマがスタートを切っていたけど、この作品は先週末・7/18夜にようやくスタート。かなり待たされました!

○ドラマ視聴率は本館サイトの該当コーナーから!
○TBS系「逃亡者 RUNAWAY」
第1話「無実の罪」

無実の妻殺しの容疑で逮捕された男が逃亡。真実を追究する。保護観察官の永井(江口洋介)は、妻の淳子(戸田菜穂)、息子・陸(鈴木宗太郎)と家族3人で幸せな生活を送っていた。だが、ある日、永井の留守中に淳子が何者かに刺される。帰宅した永井は犯人と鉢合わせるが、激しいもみ合いのすえ逃げられ、淳子は死亡、陸も重体に。失意の淵に突き落とされた永井だったが、刑事・尾崎(水野美紀)らの事情聴取を受けるうち、自分が容疑者として扱われていると気づく。永井は反論し、悲しみを訴えるが、なぜか次々と永井が犯人だと裏付ける物証が出現。完璧な証拠を前に永井は逮捕される。

まずこのドラマ、「リチャード・キンブルでなく、職業医師でない。目的地、州刑務所の死刑執行室でもない。」という全否定(笑)。正しくは「永井徹生、職業保護観察官。目的地、警視庁。」でした。このことからもわかる通り、「忠実なリメイク版」ではなく「テーマや設定を題材にしただけの別作品」と言えますね。しかし、序盤から残虐な殺傷シーン・・・。オリジナル版は物でガーンと殴っただけだったけど、今回は謎を秘めたナイフで、永井の妻や子供までもメッタ刺しだもんね。おまけに流血はあり、それを感じさせる信号等の赤色もありで、嫌だった・・・。この時点では永井は「単なる被害者の家族」であり、そこからなぜ逃亡するハメになったかは予想できませんでした。しかし、何者かによる計算高い策略によって、犯人に仕立て上げられたからだとは・・・。警視庁への護送中に起こったトンネル内火災で、逃亡を決断した永井。自宅で見た犯人らしき者を追い詰めることができるだろうか?

この作品、キャスト陣が豪華! 久々にTBS系ドラマで主演を務める江口洋介(永井)、その妻の元“ショムニ・秘書課”(?)・戸田菜穂(淳子)、「踊る大捜査線」での湾岸署から県警に移った(?)“ショカツ(所轄)刑事”・水野美紀(雪乃・・・じゃなくて尾崎)、背も高ければ数字も高い“新・視聴率男”(?)・阿部寛(峰島刑事・捜査一課)等々。その他、別所哲也(郡司・外科医)、片平なぎさ(小野寺・看護師長)、原田美枝子(生活安全課刑事)、原田芳雄(来栖病院院長)といった大物俳優が脇を固めていて、申し分ないくらいにすごいです。TBS、またもや力を注ぎ込んでいます。今回は初回話だけあって全員怪しげに出演。無実と思われる永井さえも、その昔暴力沙汰の事件を起こしたらしく、凶器のナイフにも何やらエピソードがある模様? つまり初回話は、「この中で誰が真犯人だと思う?」と視聴者に問い掛けたような内容になりました。妻殺しは両手がちゃんと見えたし、オリジナル版と違って「片腕の男」ではないらしい? 病院でチューブを切った人間は、もしや妻殺しの犯人とは同一人物ではない? また男か女かも断定できていない? 今のところは、病院にいた郡司か小野寺が最も怪しいかな? しかしオリジナル版でも映画版でも、本当に意外な人物が真犯人だったことを考えると、誰なのかは全く見当がつきません。さあ面白くなってくるぞ!(実際は事件を楽しんではいけません)

それにしても、病室のシーン、大胆な空撮、原田芳雄さんや極楽とんぼ・加藤浩次さんといった面々・・・。TBS系の過去ドラマ「ブラックジャックによろしく」の臭いがプンプンするぜっ! なんて思って調べたら、制作のトップスタッフが同じでした! プロデューサーが伊與田英徳さんで、演出が平野俊一さん他。なるほど、すご~く納得! オリジナル版は、ライバル同士となるキンブルとジェラード刑事が、時として友情を伴う行動を起こしたり、キンブルが逃亡生活の間にアメリカの人気スターが演じる人物に出会ったり、行く先々でとにかくモテまくったり(笑)と、事件の結末までを見守る視聴者にとってはとても面白く見られたものでした。このドラマも、そのオリジナル版や「ブラックジャックによろしく」のように、特別ゲストが演じる人物に次々と出会ったりして進行するかも? この辺りも楽しみの一つですね。

主題歌は松たか子の「時の舟」。予想に反して意外にもドラマと合っていたので、とりあえずはOK? NGだったら、ミスチル(Mr.Children)の「逃亡者」を聴くなり、ラッツ&スター(シャネルズ)の「ランナウェイ」を聴くなり、好きなようにしてくれい!(笑) 「逃亡者」、初見では私の期待に応えてくれそうな感じでした!


ここで、「逃亡者」のオリジナル版の方のネタバレ情報を書きます。本ドラマのストーリーとはあまり関係無さそうなので、大丈夫だと思います。興味ある方は読んでみてね。


リチャード・キンブルは妻殺しという「無実の罪」を着せられ逮捕されたが、列車での護送中に大事故が発生し、その間に脱走。真犯人である「片腕の男」を捜すべく、長い逃亡生活を続けます。そしてその事件は、意外な人物が鍵を握っていたことが判明。キンブルは片腕の男を遊園地へ追い込み、タワーの上で決闘します(これは名シーン)。そこで、キンブルを追い続けたジェラード刑事が地上から発砲し、片腕の男は死亡。キンブルは落胆したが、意外な人物が法廷で真相を語ったことにより、キンブルは晴れて「無罪」になったという、ハッピーエンドの全120話のストーリーです。私も最終話はビデオにしっかり録画してあって、たまに見ては「やはり名作!」と思ったりします。このドラマをきっかけに、一度「オリジナル版」を、また「映画版」を、改めて見るのも良いかもしれませんね!


最後におまけ。オリジナル版の有名過ぎるナレーションの音声ファイルをネットで見つけました。上で書いたものとは少し違うけど(途中話から変更されたため)、雰囲気は十分に伝わります。一度聴いてみてください。

○「逃亡者」オリジナル版・冒頭のナレーション(矢島正明氏による)
【 http://www.collector.co.jp/~toys/fugitive.wav 】

おっと、ここも良い感じ。制作発表記者会見時のレポートです。
○goo テレビ番組ナビ・番組トピックス「逃亡者 RUNAWAY」
【 http://tv.goo.ne.jp/article.epg?site=014&db=kaiken&template=runaway&arg=008 】

おっと、今度は悪い感じ(苦笑)。ドラマは逃亡しないでくれ~。
○江口洋介に共演者が激怒
【 http://www.excite.co.jp/News/entertainment/20040705150000/15111.html 】

※リンクは無効にしています

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コメント

なるほど~!オリジナルドラマの結末はそうなってたんですね!
ン十年ぶりで謎が解けました。
私が聞いた噂では片腕の男が死んでしまって、キンブルの潔白は証明されない・・
って言うショッキングな物だったんで、ホッとしました。

それにナレーション!
私は31話~120話の「リチャード・キンブル、職業医師。
正しかるべき正義も時として盲しいることがある・・」ってやつしか
知りませんでした。
この時にハカリを持った女神?の像が映し出されて様な・・。
30年以上経っても、頭の中に有るナレーションてすごい!

投稿: TAMA | 2004.07.21 11時47分

私は、オリジナル版を知らなかったので、何だか嬉しかった。
こういう余談ヘ(__ヘ)☆\(^^;)予備知識が聞けるからいいんだなぁ。あずさん、毎度ありがとう♪
しかし、120話ってW(゚O゚)W長っ!
TAMAさんの記憶力も流石!

真犯人を追うドラマって、毎回イライラしなきゃいけないのが辛い。
だから最後まで必ず観てしまうんですけど(^_^;)
あの犯人の後ろ姿は『阿部ちゃん』にも見えなくもなかったσ(^_^;ワタシ?
んなこた~ない!って怪しい奴ばかり(~ヘ~)ウーン

投稿: マナ | 2004.07.21 16時01分

>TAMAさん

そうです、見事なハッピーエンドだったんです! 謎が全て解けて良かったですね。片腕の男が撃たれたことで、キンブルはもちろん、当時の多くの視聴者もかなり落胆したはず。でもこの事件は、ある人物のせいで真相がずっと明かされないままでいたんですね。最後はその人物が自らの過ちを告白して、無罪判決になったんです。どう? また見てみたくなったでしょう?

ナレーションについては、TAMAさんのような人が大勢いると聴きました。私は放送当初のナレーションの方が頭から離れなくて。でもどっちにせよ、すごく印象に残るものなんですよね!

>マナさん

オリジナル版、機会があれば是非見ていただきたいです(レンタルあるのかな?)。しかし120話もあるのでやや注意(笑)。余談・予備知識の件、どちらも私への褒め言葉のように聞こえます(笑)。こういう情報を求めてる人も多いようなのでね(検索サイトでの結果によるとね)。

ほんと、誰が犯人かわかったもんじゃない! 誰もが犯人候補に見えてしまいますよね。密かに尾美としのりさんも怪しいなんて思ったり。だってイボリー(「マンハッタンラブストーリー」より)だし(笑)。♪私イボリー いつまでもイボリー あれは忘れられねぇ・・・。

投稿: ads(あず)@管理人 | 2004.07.22 00時58分

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受信: 2004.07.21 11時31分

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